「大学で学ぶ知識がないと解けない」とされていた数学の証明問題。西宮市立西宮高校(兵庫)の3年生4人は約1年かけて、高校で学ぶ知識のみで証明してみせ、オーストラリアの数学専門誌に論文が掲載された。常識を覆した4人の熱意に迫る。(文・黒澤真紀、写真・学校提供) もともとは週に1度、「総合的な探究の時間」(現高2以降は「理数探究」)の授業で4人は円周率の新しい求め方を探していたが、うまくいかなかった。試行錯誤する中で「円に内接する多角形の中で、正多角形が一番大きな面積を持つということをなぜ言えるのか」と新たな疑問が浮かんだ。 非常勤講師の宮寺良平先生に質問すると「証明するには、大学の数学科1年生以上のレベルの知識が必要」と言われた。 「僕たちに証明できないですかね」。生徒たちは諦めなかった。「内容自体はシンプル。高校で習う範囲でも太刀打ちできるのではないか」という田中陸人さんの言葉に全員が同意。
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