2014年6月5日に開催された、第13回モリサワ文字文化フォーラム「文字とデザインVol.5」(於:株式会社モリサワ本社4F大ホール)のレポート、齋藤精一氏によるセッション1「無いモノを創る、あるモノを使う」に引き続き、平林奈緒美氏×古平正義氏のセッションをお伝えする。 古平氏はまず、「タイポグラフィー」という言葉をウィキで調べたところ、日本語版と英語版では大きな認識の違いがあると指摘。「日本では、規範に則って美しい文字組を作ることがもともとの『タイポグラフィー』の意味だが、意外にも英語版では柔らかめの表現で、『タイポグラフィーは誰にでもできる』というような広範囲の認識になっている」と説明する。 「最近、『タイポグラフィーが好きです』みたいな人が増えているが、私は『苦行』だと思っている」という古平氏に対し、「私もよく分からなくなっている。適切な書体を選んで、適切な目的できちんとしたカタチで