惑星観測用宇宙望遠鏡「ひさき」が、木星の衛星「イオ」の大気から宇宙空間に放出されてプラズマ状態となったガスを観測し、とくにイオの周りでプラズマが非常に高温となっていることを明らかにした。プラズマ加熱のメカニズムを解明する手がかりになると期待される。 【2016年5月16日 東北大学】 惑星や衛星の周囲では、分子や原子は電離してプラズマの状態となっている。プラズマの温度は大気に比べてかなり高いが、宇宙空間でどのようにプラズマが加熱されているのかについては、様々なメカニズムが提案されているものの、よくわかっていない。 木星の衛星イオは、太陽系で最も活発な火山活動をもつ天体だ。イオの大気は二酸化硫黄を主成分とする火山性ガスでできており、宇宙空間へ流出して、イオの公転軌道に沿ってプラズマトーラス(ドーナツ状に分布した濃いプラズマ)を形成している。このトーラスを、高温電子がイオンに衝突して発光する極