宇宙で最初に生まれた「初代星」の超新星爆発は球対称ではなく、非対称なジェットを伴う激しい現象だったらしいことが観測とシミュレーションから明らかになった。 【2019年5月31日 カブリIPMU/マサチューセッツ工科大学】 138億年前のビッグバンで誕生した直後の宇宙には、水素とヘリウムとごくわずかな量のリチウムしか存在しなかった。これらの元素から初期宇宙で最初に恒星が生まれたのはビッグバンの数億年後と考えられており、その星々は「第一世代星」や「初代星(first star)」と呼ばれていている。 水素とヘリウムしか含まない原始ガス雲は光を出して冷えることがあまりできないため、重力が圧力に打ち勝って収縮し、星になるためには、ガス雲の質量が大きい必要がある。そのため、初代星は太陽質量の100倍くらいの非常に重い星が多く、わずか1000万年程度で超新星爆発を起こしたと考えられている。リチウムより