2019年末から2020年初めに2等級まで暗くなってしまったベテルギウスについて、その減光の謎を気象衛星「ひまわり8号」の観測画像から調べるという非常にユニークな研究成果が発表された。 【2022年5月31日 谷口大輔さん】 オリオン座の肩の位置に赤く輝く1等星のベテルギウスは、2019年末から2020年初頭にかけて突如として暗くなり、2020年2月には観測史上最も暗い2等級にまで達した(参照:「2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ」)。この現象は「ベテルギウスの大減光」と呼ばれ、原因を解明するためにハッブル宇宙望遠鏡やヨーロッパ南天天文台の8.2m VLT望遠鏡など世界中の大型望遠鏡がベテルギウスへと向けられた(参照:「ベテルギウスの減光は大量の物質放出が原因」、「ベテルギウスを暗くした塵の姿」)。 これら観測研究により、大減光の原因の約半分はベテルギウスの表面温度の低下であることがわ