1位は小惑星探査機「はやぶさ」の帰還、2位は日本人2人のノーベル化学賞受賞――。科学関係の報道に携わる朝日新聞記者が、投票で今年の科学10大ニュースを選んだ。日本の底力を世界に示した二つの明るいニュースが、他を引き離した。 ◇第1位 はやぶさ帰還/技術を証明、社会も注目 小惑星探査機「はやぶさ」が6月13日、60億キロの旅を経て、7年ぶりに地球に帰還した。故障、通信途絶、エンジン劣化……。何度も絶望視されながら、そのたびに宇宙航空研究開発機構の研究者らの機転で乗り越え、小惑星「イトカワ」の微粒子が入ったカプセルを持ち帰った。 技術的な成果も多かった。電気で進む新開発のイオンエンジンは「1円玉を持ち上げるほど」の推進力しかないが、燃費がよく、宇宙のような空気抵抗のない場所では大きな加速を得られる。 地球からの指令がなくても、自らカメラの画像を確認して航行する技術も実証。大気圏に再突入したカプ