明日から11月。天気もぐずつきがちになり、憂鬱な季節の到来だ。2015TB145のフライバイは大丈夫だろうか?ところで、わが国天文史上に残るビッグネーム、渋川春海の命日も11月1日で、没年は正徳5年=1715年とあるから、明日は没後300年にあたる。自分も天文ファンの端くれだから、一応名前ぐらい知っていないと、バツが悪い・・という思いがあるが、一般の人にはなじみが薄い人物だろう。ベストセラー小説「天地明察」のお陰で、一度は桧舞台に躍り出た感じはあるものの、同時代を生きた松尾芭蕉とは知名度の点で「天地」ほどの開きがある。そのせいか、没後300年の節目でも格段目だった動きはないようだ。 渋川春海の歴史的偉業は何と言っても、史上初の和暦編纂作業だ。改暦にいたる事情は「中山茂著・日本の天文学(岩波新書版)」に詳述されている。本書を読み進めるうち、春海は優れた天文学者であると同時に、簡単に撓まないタ