正直な所、私が最初に3Dプリンタを購入した際は「せいぜい治具やエグゾーストキャノンのグリップや外装に使えればいいな」程度に考えており、圧縮空気や水などの高圧流体を扱う耐圧部品の出力は不可能であると考えていた。というのも、家庭用3Dプリンタの定番方式である熱溶解積層法(FDM式)の最大のデメリットに強度異方性(力がかかる方向によって強度にバラツキがある)があるとされており、これは積層間の完璧な密着を得るのが難しいといった特性に基づくものである。そのため実際に通常の設定でプリントした部品の内部に高圧流体を導入すると、積層の僅かな隙間から流体がリークし、耐圧部品として使い物にはならない。 しかしある日、偶然次の記事に出会い、この常識は変わることとなった。 http://fenneclabs.net/index.php/2018/12/09/3d-printing-transparent-part