コーヒーと音楽のつながりは、深いものがあったようです。特に作曲家は、コーヒーハウスで芸術仲間と交流したり、演奏することもありました。コーヒーは、気分を高揚させ、神経を集中させる効果があるので、作曲など創作活動には欠かせないものだったようです。J・S・バッハも、ライプツィヒの街にあったコーヒーハウスで、数年にわたって、定期的にライプツィヒの学生の演奏団体の指揮をしていました。 コーヒーハウスで開催されたバッハの演奏会は、一般市民にとって貴重な音楽鑑賞の場だったと考えられます。当時のドイツでは、「女性がコーヒーを飲むのは好ましくない」とされていました。こうした男尊女卑の考え方に抵抗を感じる女性の声を汲み取った詩人のピカンダーが書いた詩にバッハは曲をつけ、「コーヒーカンタータ」と呼ばれる楽曲を発表しました。バッハ自身もコーヒーポットやコーヒーカップを所有し、コーヒーを愛していたようです。 コ