【Radioの時代】 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅時のラジオや、ラジオ番組をインターネット配信する「radiko(ラジコ)」のながら聴きが増えているという。聴く人に寄り添い、地域の情報を提供し続けてきたラジオの魅力が見直されている。ところが、ラジオ局はテレビやネットメディアの台頭で広告収入が激減、老朽化した設備の維持費も経営を圧迫している。高コストのAM放送を停波し、FMに移行する議論も進む。ラジオが大きな転換期を迎えている。 (渡部圭介) とまった放送 老朽化の影響… 「放送がとまっている。会社に来てください!」 平成19年9月10日午後、宿直明けで帰宅後の大阪放送(ラジオ大阪、OBC)システム部、出羽盛彦さんの自宅の電話が鳴った。会社にいた同僚からだった。 会社では、堺市東区にある無人のAM放送の送信所から「停波」を知らせる通知が届いていた。 大阪市内の本社からすぐさま社員