『貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで アメリカの教室に入ってみた』(赤木和重/ひとなる書房) 今、日本の教育が変わろうとしている。一昨年6月、下村文部科学大臣は「日本創生のための教育改革」という今後の日本の教育の方向性を明示した。具体的な内容は、早い学齢から職業選択意識を持たせる、大学に就職に直接役に立つ学問を重視させる、などの改革だ。こうした教育改革のモデルは、先進国と呼ばれる世界の国々である。『貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで アメリカの教室に入ってみた』(赤木和重/ひとなる書房)は、モデルのひとつであるアメリカの教育改革の成果が、実際の小学校にどう表れているかを観察した一冊だ。 著者は発達心理学・特別支援教育学が専門の大学院准教授。2015年春から1年間、ニューヨーク州シラキュース大学教育学部に客員研究員として赴任した。予備知識なく住まいを決めた著者は、当然