ジャーナリスト、池上彰氏の人気も影響しているのだろうか。最近、分かりやすく伝えるための話し方や書き方に関心が集まっている。 分かりすく伝える方法を解説した本も数多く出版されている。この7月に経済ジャーナリストの木暮太一氏が上梓した『伝え方の教科書』(WAVE出版)も、その流れの中の1冊に位置づけられるだろう。 だが、本書を他の類書と同列に論じることはできない。木暮氏の「伝える技術」にかける情熱が並外れているからである。 木暮氏は中学生の頃から「どうすれば他人に分かりやすく伝えられるのか」を考え、その方法を模索してきたという。大学生時代には自らの方法論をもとに、経済学の基本を分かりやすく解説した『TK論~気軽に始める経済学~』という手製の冊子をつくった。学生たちから大好評を博し、5万部が売れたそうだ。本書は、木暮氏がこれまで約20年をかけて磨き上げてきた「分かりやすく伝える技術」の集大成であ