2021.01.30 08:00 自民党保守派にとって「選択的夫婦別姓」は姓氏だけの問題ではない 議論を後退させた背景にある“国家観” ●日本人のつくりかた(第3回) 他人の「選択的夫婦別姓」が、どうしてそんなにイヤなのか 2020年12月末、政府の第5次男女共同参画基本計画改定をめぐって、自民党内では、「夫婦別姓(夫婦別氏)」への展望をどのようにもりこむかをめぐる政策的対立があらわとなった。 「男女共同参画基本計画」とは、今後10年間の「基本認識」と、今後5年間の「施策の基本的方向」及び「具体的な取組」を定めるものだ(内閣府男女共同参画局のWEBサイトに拠る)。2020年12月4日時点での政府原案では、選択的夫婦別姓の容認について、次のように触れられていた。 「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、婚姻前の氏を使用することができる具体的な制度のあり方について、国会において速やかに議論が