「あばれはっちゃく」シリーズなどで知られる児童文学作家の山中恒さん(79)が27日、民事再生手続き中の中堅出版社の理論社(東京都新宿区、下向実社長)に対し、出版契約の解除を申し入れたことを明らかにした。同日付で同社に書面を送付した。 山中さんは、同社の民事再生手続き開始後にずさんな経営が発覚したことや、約223万円の印税が未払いとなっていることなどから、同社が「信頼を踏みにじり、著作者に多大な損害と苦痛を与えました。『理論社』の名前で、在庫を売ってもらいたくありません」としている。 理論社は児童向け出版の老舗で、日本BS放送の新子会社に事業と商号を譲渡することを、9日に発表していた。 山中さんはデビュー作の「赤毛のポチ」以来、約50年間同社と出版契約を結んでいたという。