ひと月前の2月24日、日本文学研究の第一人者であるドナルド・キーン氏が天国に旅立った。アメリカ出身で日本の文学をこよなく愛し、帰化してカタカナの「ドナルド キーン」と改名してからも、コロンビア大学の名誉教授として多くの生徒に「日本文学の魅力」を伝えてきたキーン氏。コロンビア大学で氏の授業を受け、現在日本史研究の第一人者として活躍するコロンビア大学教授のキャロル・グラック氏が、キーン氏がアメリカの学生たちに伝えてきた「日本」と氏の思い出を伝える。 キーン教授は真の「ティーチャー」 ドナルド・キーンがちょうどひと月前の2月24日にこの世を去ってからというもの、日本と欧米の読者や言論界の人々、また学者たちは彼の人生とその功績を称えてきた。ちょうど同じころ、これらの人々より少ないがそれでもかなりの数の彼の教え子たちの間では、自分たちの人生にドナルド・キーンがどれほど重要な存在だったのかを思い出し、
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