スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」で主人公のヤマトタケルを演じた、歌舞伎俳優、市川猿之助さんの話「平成最後の年に人生の幕を閉じられたことは、実に先生らしい。まさに、ひと時代が終わった感がいたします。先生の傍で学ぶことを懇願した折、『君は歌舞伎界で梅原猛を生かしてくれ』との言葉が忘れられません。これから、それを実現すべく精進して参ります」
スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」で主人公のヤマトタケルを演じた、歌舞伎俳優、市川猿之助さんの話「平成最後の年に人生の幕を閉じられたことは、実に先生らしい。まさに、ひと時代が終わった感がいたします。先生の傍で学ぶことを懇願した折、『君は歌舞伎界で梅原猛を生かしてくれ』との言葉が忘れられません。これから、それを実現すべく精進して参ります」
三間(約6メートル)四方の能舞台から、東京・新国立競技場で1年半後に迫った、東京五輪・パラリンピック開閉会式の演出を考える。 「復興五輪である以上、『鎮魂と再生』の精神性を大事にしたい。それは祖先に感謝し、次なる生を伝承する日本の祭りの心であり、能狂言の心でもある」 伝統芸能を軸に持ちながら、英国留学でそれを客観視する目線を得た。シェークスピア劇を和の手法で斬新に演出し、国内外で高く評価されている。一方、「三番叟(さんばそう)」(能の祝言曲の一つ)を、自身の動きをデジタルデータ化した映像と競演するなど最先端技術にも貪欲だ。「パレットの絵の具は多彩な方がいい。そこから引き算する。そぎ落とした表現で最大限の効果を上げるのはわれわれ(能狂言)の専売特許です」 五輪とパラの開閉会式、計4式典を、4話完結の物語として構想中だ。通底するのは、狂言の舞台で慣用句のように使われる「このあたりのものでござる
中央教育審議会は21日、社会教育の振興策をまとめ、柴山昌彦文部科学相に答申した。現在は自治体の教育委員会が所管している図書館や博物館を、首長部局に移管できるようにする特例の創設を提言。政府は来年の通常国会で、移管の特例を盛り込んだ関連法改正を目指す。 対象は、図書館や博物館、公民館といった公立の社会教育施設。図書館を核としたまちづくりや、博物館を観光振興の拠点に活用するなど、地域にとって効果的と判断した場合に自治体が条例で移管できるようにする。首長部局に置くことで、都市計画や産業振興、観光といった部署と連携しやすくする狙いがある。 このほか答申では、全ての人が生涯を通じて学び、その成果を地域活性化に生かす「生涯学習社会」の実現に向け、国や自治体の積極的な取り組みを要請した。
先日、北京で催された狂言が大当たりをとった。日本でも鑑賞したことはあるが、観客の笑い声でせりふが聞こえなくなったのは今回が初めてだ。 演者は人間国宝の野村万作氏(87)、長男の萬斎氏(52)、孫の裕基氏(18)ら。演目は酒飲みの滑稽さを描く「棒縛(ぼうしばり)」、夫婦の絆を問う「川上(かわかみ)」、自然破壊を風刺した「茸(くさびら)」の古典ばかりだ。なぜ受けたのか? まずは、中国における萬斎人気。映画「陰陽師(おんみょうじ)」のヒットで萬斎氏には女性ファンが多い。9年ぶりの公演に詰めかけた観客も9割が女性だった。 次に、中国語の字幕の効果。狂言のせりふは室町から江戸時代にかけての言葉だが、日本では一般に字幕は付かない。万作氏も「日本人が日本で見るより、中国人が中国で見る方が分かりやすい皮肉な状況となった」と振り返った。 もちろん、萬斎人気は狂言人気を意味するものではない。しかし元来、風刺の
国立民族学博物館(大阪府吹田市)で開催中の特別展で、北米の少数民族側からの要請を受け、一部展示物を非公開とする措置が取られていることが31日、分かった。宗教儀礼的にふさわしくないとして事実上の抗議を受け、民博は、文化的配慮から公開を見送ったという。こうした例は世界的にも増えているとされ、今後の民族文化の継承などに影響を与えそうだ。 特別展は3月8日から開催されている「太陽の塔からみんぱくへ 70年万博収集資料」。昭和45年の大阪万博開催に向け、万博収集団が集めた神像や仮面など約2500点を展示するなどしている。 その中で、展示が見送られたのは、米アリゾナ州の先住民族「ホピ」に伝わる「カチーナ神像」と呼ばれる木彫像(約30センチ)。頭部に羽根飾りがあしらわれた白く着色された木像で、万博時には太陽の塔内部で展示されていた。
「やっぱり産経さんはお引き取りください」。一瞬、何を言われたのか分からなかった。新潟市のホテルで、9月23日に開かれた新潟県平和運動センター主催の講演会。ゲストスピーカーは、東京新聞社会部の望月衣塑子記者で、テーマは「武器輸出と日本企業-安倍政権の危険なねらい」。県政記者クラブで告知され、取材に訪れた本紙記者は、主催者につまみ出される形で会場を退席した。その顛末(てんまつ)は…。 本紙記者が、この講演を知ったのは開催前日の夕方のことだった。新潟県政記者クラブに告知されたリリースが県政担当の記者から支局にファクスされ、記者が取材に行くことになった。 望月記者は、同じ大学の出身ということで個人的に親近感があった。産経新聞と東京新聞とでは論調は異なるが、取材現場の第一線で働く先輩記者の話を生で聞けるチャンスでもある。北朝鮮など国際社会の情勢や問題をどうとらえているのか、純粋な気持ちでぜひ、お聞き
図書館の模型の前で写真撮影に応じる(左から)安藤忠雄氏、吉村洋文大阪市長、山中伸弥氏=19日午前、大阪市役所(前川純一郎撮影) 建築家の安藤忠雄氏が19日、大阪市役所を訪れ、中之島公園(同市北区)内で設計・建設する予定の児童向け図書館を市に寄付することを提案した。子供たちが活字や芸術文化に親しむ機会を増やすため、「大阪の将来を担う子供たちの学びを支える場所にしたい」と話した。 安藤氏は大阪市出身。中之島公園内の市立東洋陶磁美術館に隣接する土地に3階建ての「(仮称)こども本の森 中之島」(延べ床面積約1千平方メートル)を平成31年の夏休みまでに完成させる構想を描く。建築費用や運営費用は安藤氏が呼びかけ人となって民間から寄付を募る。 この日は、構想に賛同する京大iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏も同席した。提案を受けた吉村洋文市長は「大阪にとって大きな財産となる。子供たちが未来を感じ取れる場所に
京都市右京中央図書館内の「桑原武夫記念コーナー」。愛用品や年譜パネルなどを中心とした小規模な展示=京都市右京区 京都大人文科学研究所を拠点に戦後活躍した知識人グループ「新京都学派」の代表的存在で、文化勲章も受章した仏文学者の桑原武夫氏(1904〜88年)。その没後に遺族が京都市に寄贈した蔵書が廃棄されていたことが分かり、問題となっている。背景を探ると、図書館の抱えるさまざまな事情も見えてくる。(磨井慎吾) ◇ 「桑原先生の蔵書を、こともあろうに京都市が廃棄するなんて…」 京都市教委は今年4月、京都市名誉市民でもあった桑原氏の没後に遺族から寄贈された約1万冊の蔵書を遺族の意向を確認せず誤って廃棄していたことを発表。市民らから50件以上の苦情が殺到したという。 ◆重複図書扱いに 蔵書は当初、同市国際交流会館内に設けられた「桑原武夫記念室」で、来訪者が手に取れる開架式で保管していた。右京中央図書
内閣府は19日、朝日新聞が同日付朝刊で、関東大震災時の「朝鮮人虐殺」に関する内容を含む過去の災害教訓をまとめた報告書が、苦情によってホームページ(HP)から削除されたと報じたことに対し、「削除したことはない」と反論した。記事中、担当者の発言として報じられたコメントも否定した。内閣府は、報告書が閲覧できないのはHP刷新に伴うシステム上の問題だと朝日記者に説明したと話しており、抗議することも検討している。 朝日新聞は社会面に「『朝鮮人虐殺』に苦情、削除」の記事を掲載。江戸時代以降の災害の教訓を将来に伝えるために政府の中央防災会議の専門調査会がまとめた報告書が、HPから削除されていると伝えた。
「天才バカボン」も学問に通ず-。大阪府東大阪市の近畿大に4月、蔵書約7万冊のうち、漫画が約3割を占める図書館が新設される。大学によると、これほどの漫画をそろえる大学図書館は全国でも珍しい。古今東西の漫画のそばに、関連付けさせた活字本を配置しており、担当者は「漫画で芽生えた学生の好奇心を学問へと導きたい」と話している。 図書館は「BIBLIOTHEATER(ビブリオシアター)」。現在ある中央図書館の分室として東大阪キャンパスに造られ、全面ガラス張りの2階建て。約2万2千冊の漫画を置いている。 蔵書の選別や配置は、編集工学研究所(東京)の松岡正剛所長が手掛けた。「笑いとオチの現象学」と銘打った棚には約2千冊を収容。故赤塚不二夫さんの代表作「天才バカボン」や、吉田戦車さんの「伝染るんです。」などと共に、実存主義を唱えたフランスの哲学者サルトルの「存在と無-現象学的存在論の試み」の文庫版が並ぶ。
■監督「物語にふさわしい」 葛城地域の4市1町(大和高田、御所、香芝、葛城市と広陵町)が舞台の映画「天使のいる図書館」が完成し19日、試写会とウエダアツシ監督の記者会見が大阪市内で行われた。2月11日から県内で先行公開され、同18日から全国公開される。 大和高田、御所、香芝、葛城市と広陵町などでつくる葛城地域観光協議会と、映像会社などで組織する映画製作委員会が発足させた「葛城地域観光振興シネマプロジェクト」が企画・制作。主演はNHK連続テレビ小説にも出演した女優、小芝風花(こしば・ふうか)さんで、香川京子さん、森本レオさん、横浜流星さんらのほか、地元住民もキャストやエキストラで出演している。 映画は、小芝さん演じる新人司書「吉井さくら」が勤務先である図書館になかなかなじめない中、香川さん演じる老婦人との出会いを通じ、人間的に成長していくストーリー。広陵町立図書館や香芝市の屯鶴峯(どんづるぼ
演劇の世界に「代役は最大のチャンス」という言葉がある。急な代役をこなすことができれば実力を認められ、大役が回ってくる。長く取材していると、そんな現場を何度か目にした。 忘れられない舞台がある。平成22年1月、東京・新橋演舞場。「黒塚」の幕が開くと、主役の鬼女の恐ろしい秘密をのぞき見る太郎吾を演じるはずの市川猿弥さんの代わりにいたのは、市川寿猿(じゅえん)さんだった。当時79歳。陰に日なたに市川猿之助一門を支え続けたベテラン脇役である。 その前の幕で上演された「寿曽我対面」で猿弥さんが急病になり、急遽(きゅうきょ)、寿猿さんが代役を勤めることになったのだ。幕間は約20分。寿猿さんも「寿曽我対面」に出ていたので、化粧をして衣装と鬘(かつら)をつけるだけでぎりぎりの時間。ぶっつけ本番で舞台に臨んだ。 寿猿さんはこのときが初めての太郎吾だったが、見事に太郎吾を演じ切った。せりふを間違えることなく、
天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府は、平成31(2019)年1月1日(元日)に皇太子さまの天皇即位に伴う儀式を行い、同日から新元号とする方向で検討に入った。国民生活への影響を最小限とするには元日の譲位が望ましいと判断した。譲位に伴う関連法案は、有識者会議の報告と衆参両院の論議を踏まえ、5月上旬にも国会に提出する見通し。譲位は「一代限り」として皇室典範改正は最小限にとどめる方向で検討を進める。 複数の政府関係者が明らかにした。譲位の日時に関しては「○年以内に政令で定める」として法案に明記せず、皇室会議を経て閣議決定する方針。 具体的には、平成31年元日、国事行為である「剣璽等承継の儀」(三種の神器等引き継ぎ)と「即位後朝見の儀」(三権の長らの初拝謁)を宮中で行い、官房長官が速やかに新元号を発表する方向で検討している。 皇位継承に伴う重要儀礼である大嘗祭は、準
「エヴァンゲリオン」シリーズなどを製作する会社「カラー」が10周年を迎え、同社代表の庵野秀明監督(56)がインタビューに応じた。総監督を務めた「シン・ゴジラ」や「エヴァンゲリオン」シリーズへの思い、日本アニメ界の展望を聞いた。 《今夏に公開された「シン・ゴジラ」は、シンプルな物語と徹底したリアリズムで大きな話題を呼んだ》 手がけてみて、意外にゴジラを現実社会に持ち込みやすいことに気づきました。作品の中の嘘がゴジラの存在だけなので、シンプルなんです。 ストレスだったのは、「主人公の恋人や家族の問題などの人間ドラマを入れてほしい」という、プロデューサーの要求でした。ゴジラ映画はそんなものがなくても成立するんですよ。僕はスポンサーの意見をむげに否定はしません。でも、作品にとって、それは違うというときはなるべく排さないといけない。 後は、リアリティーを強めるために取材を重ねていくのは大変でしたね。
こうの史代の同名漫画をアニメ映画化した「この世界の片隅に」の評判がいい。全国映画動員数ランキング(興行通信社調べ)によると、公開2週目も10位を保ち、週末動員(19、20日)は前週比124%の11万7千人に上った。このため、公開時に63館だった上映館を26日から78館に拡大した。大ヒットとなったランク1位のアニメ映画「君の名は。」は大手映画会社の東宝グループの力もあり、上映館が約300館とけた違いだが、「この世界の片隅に」も健闘しているといっていいだろう。 好評な理由の一つが、ヒロインの「すず」の声を、久しぶりに仕事復帰した女優の能年玲奈改め「のん」が担当していることだ。すずは広島市生まれで、絵が得意。昭和19(1944)年に、広島から20キロ離れた呉に18歳で嫁ぎ、戦況が進む中で日々の食卓を作り出すための工夫を凝らす。のんにはもともと絵心があり、裁縫も得意とあって創造的なところがすずの人
JR博多駅前で発生した大規模陥没事故は、地表近くまでの埋め戻し作業がほぼ終わったことで、10日朝から通信ケーブルやガス管などの復旧に向けた作業が始まった。作業の裏では、資材を集め、搬送した業者の奮闘があった。 「道路が陥没し、大変なことになってしまった。流動化処理土での埋め戻しを検討している。いつまでに、どれぐらい用意できるか教えてほしい」 陥没発生から約4時間後の8日午前9時半ごろ、処理土の生産プラントを持つ建設業「環境施設」(福岡県筑紫野市)の営業課長、井久保憲一氏に電話がかかってきた。相手は事故現場の地下鉄延伸工事を施工した工事共同企業体(JV)の担当者だった。 処理土はセメントや粘土を含んだ特殊な土で、ビル建設などで地質改良に使われる。コンクリートのように固まりやすい性質を持ち、そのため、作り置きはできない。必要に応じて生産するしかない。 穴すべてを埋めるには7千立方メートルの、地
対局中に将棋ソフトを使用した疑いが持たれている三浦弘行九段(42)が7日、改めて疑惑を否定する内容の文書を弁護士を通じて発表した。自身のスマートフォンの調査を解析会社に依頼し、将棋ソフトを使用した形跡がないことが裏付けられたなどと主張。疑惑を「単なる憶測に基づく誤った事実」として、出場停止などの処分の撤回を求めた。文書は「対局中の将棋ソフト使用疑惑について(3)」と題されている。全文は次の通り。 ◇ 日本将棋連盟は、平成28年10月27日、私の出場停止処分の妥当性と対局中の行動について、第三者調査委員会を設置しました。連盟は、出場停止処分の妥当性に疑義があると考えたからこそ、第三者調査委員会を設置したのだと思います。しかし、私の出場停止処分は未だ継続されています。出場停止処分の妥当性に疑義があるのであれば、まずは出場停止処分を撤回してから調査にあたるべきではないでしょうか。
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