江戸時代に疫病の流行を予言し、さらに病気が流行した際には自身の姿を描き写して人々に見せるよう告げ、姿を消したといわれる予言獣「アマビエ」。妖怪ファンには知られた存在でしたが、新型コロナウィルスの沈静化を願う人々による「アマビエチャレンジ」によって一躍有名になりました。そこで、日本で初めて「妖怪」で博士号を取得した、正真正銘の妖怪博士・香川雅信氏に、アマビエ(アマビコ)をはじめとする疫病退散の祈願にもちいられた異形のモノたちについて解説していただきました。 -------------------------------------------------------- 予言するモンスターたち――アマビエ、人魚、件くだん、そして 文=香川雅信(兵庫県立歴史博物館学芸員) 一匹の妖怪がSNSを席巻している。「アマビエ」という名の妖怪が。 この妖怪について伝えているのは、京都大学附属図書館が所蔵す
古処誠二ほど軍隊を書ける作家が、いま、他にいるだろうか。 軍隊は巨大官庁や巨大企業と同じだ。管理職相当の士官がいる。平社員相当の兵隊がいる。ほんの少しの身分の違いが、越えられない壁、立ち入れない塀をいちいち作り出す。年季の入り方のちょっとした違いも大きく作用する。 しかも、大日本帝国陸軍なら、歩兵も、砲兵も、工兵も、騎兵も、食糧などの輸送を司る輜重兵も、軍の中の警察官である憲兵もいる。それぞれに士官がいて兵隊がいる。タテにもヨコにも細かく割れ、各々に独特の文化がある。言葉や思考法がある。それは単に伝承とか習性とかいった次元にとどまらない。歩兵なら歩兵、憲兵なら憲兵。どのグループにも専門性の高いマニュアルがある。それに従って教育されている。その意味で軍隊は民間企業以上に役所である。軍人や兵隊は武装した役人である。軍隊勤務は決まり事に徹底的に縛られている。 たとえば、臨機応変な対応を求められる
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