大阪の万博記念公園のパビリオン(旧鉄鋼館)に今も残る「スペース・シアター」。無数のスピーカーから武満徹の曲「クロッシング」が流れている。作曲家は1970年の万博当時、この未来的なホールのために最新の技術を援用して斬新な音響を構築した。 「20世紀はテクノロジーの世紀で音楽も例外ではない。武満の前衛的な創作活動を振り返る上で、ここは歴史的な場所なんです」 戦後日本を代表する作曲家の生涯を電子テクノロジーの側面から追ったこの本は、1000ページを超える力作だ。その情報量の多さと詳しさに圧倒される。「当時の雑誌を徹底的に調べ、存命する関係者を突き止めて取材した。執筆にかけたのは雑誌連載期間を含め6年ほどですが、資料集めには20年かけています」 これほどの熱意とエネルギーを電子音楽に注ぐ著者は、音楽学の研究者ではない。数年前まで関西の歯科大で教えていた歯科医である。「中学生の頃から電子音楽にひかれ
東京都足立区シティプロモーション課に勤務するフリーライターの舟橋左斗子さん(56)が、治安面などでマイナスイメージを持たれることがある同区について調べ上げた「足立区のコト。」(彩流社)を出版した。 舟橋さんは大阪市東成区出身。大阪大を卒業後、広告代理店で働き、結婚を機に1993年から足立区千住で暮らし始めた。「宿場町の歴史を残しつつ、駅ビルでは新しいおしゃれな物もそろって便利だ」と感じたが、同区を知らない人から「危なくないの」と心配されたこともあったという。 本では、同区の刑法犯認知件数が、23区内でもワースト上位になっている点について、「凶悪犯罪を思い浮かべる人も多いが、件数を押し上げているのは自転車の盗難」と指摘。鍵のかかっていない自転車に区職員が鍵をかけて回る「愛錠ロック大作戦」を進めていることなどを説明した。 一方で、区立公園の広さや銭湯の数が23区でトップクラスだったり、安くてお
【読売新聞】 昨年の死亡数は134万人で戦後最多。多死社会が到来する中、葬儀業界の変遷から社会を捉えたのが本書だ。 研究者である著者の時代区分は四つ。「消費者」という概念が出てくる1945年から60年代、葬祭業がサービス業として成立
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く