人物 本来の彼女の人柄は、頼まれたらどんな事でも快く引き受け、熱心に取り組む。 真面目に仕事をこなし、誰にでも優しい。 しかし皮肉なことに、その性格が災いして自分の事をおろそかにしてしまい、心身が耐えきれなくなってしまったのだ。 職場での異様な行動と、心が崩れていくさまが徐々に見受けられるようになり、周囲の者達もあきらかにおかしいと分かるようになった頃には、かなり深刻な状態だった。 元々責任感の強い彼女は、自分にかけられた言葉一つ一つを敏感に受け取ってしまって、常に自責の念にかられていた。 病気が発症するきっかけらしきものは、彼女の職場の上司。 誰もが起こしうる程度の小さいミスでさえ、いつまでもしつこく嫌味を言ってくる。 周囲の同僚・後輩たちは軽くあしらっていたが、叱られる耐性があまりなかった彼女は、注意程度の事でもいつまでもひどく気にしてしまっていた。 発症 逃げ場のない空間に置かれるこ