あらゆる出来事、施策すべてが事態の悪化につながった。そんな印象だ。 デザイナーの佐野研二郎氏が手がけたオリンピックエンブレム。これがベルギー・リエージュの劇場ロゴに似ていると同国のデザイナー、オリビエ・ドビ氏が訴えたことに端を発した事件は、佐野氏によるデザインの「取り下げ」という形で一旦幕を閉じた。 今後は今回のデザインを白紙撤回し、もう一度エンブレムのデザインの公募を新たに行うという。 感情的な発言が仇に 今回の問題を振り返ると、デザイナーと一般の人々との見識の違い、それに伴うコミュニケーションのミスが、両者の隔たりを次第に大きくしていった。 ベルギーのロゴとの類似問題が発覚した直後に、オリンピック準備委員会が2015年8月5日に開催した会見で、デザイナーの佐野研二郎氏は両者のロゴについて「まったく似ていない」と発言。さらに「人のデザインを模倣したことは一切ない」と断言した。おそらく制作
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