LAブックフェアで登壇した作家のジョージ・M・ジョンソン氏(右)とアンジー・トーマス氏(左から2人目)(撮影/長野美穂)この記事の写真をすべて見る 米国では近年、全米の図書館から特定の書籍を排除する動きが広がっている。標的は「LGBTQ」「黒人」「性自認」などをテーマにした書籍だ。なぜ、米国の教育現場で「禁書」を求める動きが活発化しているのか。AERA 2023年6月12日号の記事を紹介する。 * * * 全書籍で見ると、全米図書館協会のデータでは22年に全米の図書館に合計1269件の「禁書要請」が提出されたことが報告されている。これは前年の2倍近い数だ。ちなみに、禁書要請最多の書籍は『ジェンダー・クィア』という題の、イラスト形式で描かれた回想録だ。 なぜ近年急に、こんなにも「禁書」を求める動きが活発化しているのか? 「ごく少数の保護者たちが『自由を求める母親の会』などのグループを結成