「豊作貧乏」という言葉がある。農産物が採れ過ぎて価格が暴落する。それで採れ過ぎた野菜をブルドーザーで土に埋めたりするのだが、最近は見かけなくなった。代わりにこれに似た現象として、今後は高齢者たちの「長寿破産」、つまり予想外に長生きし過ぎて資産を使い果たす人が出てくる気がする。 すでに“長生きは人生のリスクのひとつ”とされ、それに備えるために年金制度がある。しかし、今のベースで掛金の不払いが続くと(全体の4割、若年層では半分以上が払っていない)先行きはわからない(政府は大丈夫だと言うが…)。そこで今回は「長生き」の是非(!?)について考えてみたい。 長寿による財政破たん 実はわが国の財政は、人口の高齢化による“長寿破たん”のリスクにさらされている。言われ尽くしたことだが、高齢化が進むと社会保障費、とりわけ医療費が増え、財政を圧迫する。自治体も同じだ。大阪府の場合、現在、約1.55兆円もの公費