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はてな匿名ダイアリーと読み物に関するharashin1008のブックマーク (5)

  • ばななは激怒した。

    ばななは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の店長を除かなければならぬと決意した。ばななには経営がわからぬ。ばななは、村の物書きである。ほらを吹き、羊と遊んで暮して来た。けれどもサービスに対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明ばななは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此(こ)の居酒屋にやって来た。ばななには父も、母も無い。女房も無い。一時帰国していた友だちと二人暮しだ。この友だちは、もう当分の間外国に住むことが決定していた。送別会もかねていたのである。ばななは、それゆえ、ビールやらおつまみやらを買いに、はるばる居酒屋にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それからヨーロッパみやげのデザートワインを開けた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。歩いているうちにばななは、居酒屋の様子を怪しく思った。ひっそりしている。も

    ばななは激怒した。
  • わが子を自分探し病から守る 前編

    あなたも私も自分探し病あなたに漠然とした質問をひとつします。 深く考えずにとりあえず答えてみてください。 「答えはどこにあると思いますか?」 当に漠然とした質問で戸惑ってしまったかもしれません。 でも、答えてください。 反射的に出てきた言葉でいいので何か答えてください。 何となく決まり文句で出てきた言葉でいいので答えてください。 答えましたか? これは自分探し病にかかっているかどうかをチェックするテストです。 「自分の中にある」と答えたあなた!自分探し病にかかっています。 このテストは、速水健朗「自分探しが止まらない」を読んで、私が勝手に考えたものです。かなり精度の高いチェッカーだと自負しています。実際の自分探し病患者である自分自身の病理をよくよく観察して考案しました。 「自分探しが止まらない」を読んで、自分自身が自分探し病にかかっていることを認めざるを得なかったのです。不意ながら。

    わが子を自分探し病から守る 前編
  • ひいばあちゃんが死んだ

    去年の年末の話だ。 ひいばあちゃんが死んだと、実家から連絡が入った。 すぐ実家へとび、すぐに通夜、お葬式が開かれた。 つっても、あんまり親戚は集まってなかったし、集まった親戚も葬式特有の暗さは全く無かった。ていうか、久しぶりにあった親戚同士談笑していた。 それもまぁ有る意味当たり前で、ひいばあちゃんは結構前からもう、老人ホーム的なところで、「ただ生かされてる」状態だったから。言い方悪いが、ぶっちゃけほとんど死んでたも同然だったのだ。もうここ1年ほどは、誰に会っても何の反応もできない状態。ときどきスタッフの人が寝返りうたせて、点滴うたせて、痰とって……当にただ生かされているという状態だった。それが、ある時熱を出して、ころりとそのまま逝っちまったらしかった。 「まあそろそろかと思ったよ」皆そんな感じの雰囲気だった。不思議な雰囲気だった。皆別に、ひいばあちゃんが嫌いだったわけじゃない。つーか寧

    ひいばあちゃんが死んだ
  • 判断についての個人的整理

    知人に中小企業からちょっと大きめの企業に転職した人物が居るのだが、その人曰く、転職先の会社では周りの判断が以前の会社の同僚よりもかなり速く、驚いたとのことだった。まあ、大企業のサラリーマンがみんな、判断チョー速ってわけでは勿論無いが、全体的な平均としては成り立つ現象だと、個人的には思う。なぜなら。 例えば、1千万の仕事があったとして、それを上司1人、部下1人の3ヶ月で仕上げると仮定する。部下は上司の判断無しには作業を実施できないとすると、3ヶ月間に上司が下さなければならない判断は、1ヶ月20営業日と仮定して1日辺り約17万円の価値があるということも出来る。つまり、上司の判断が1日遅ければ、17万円のロスが生じるという見方も出来るわけだ。 この話をベースにすると、1億円の仕事上司1人で1年間で実施する場合、1日辺りに必要とされる判断の価格は約42万円、先ほどの例の約2.5倍のスピード感が必

  • 或る病院の一生

    救急を取る病院がまだまだ少なかった頃。 地域の基幹病院は県立病院。救急車で30分。救急対応も今ひとつ。 地域に「住民のための」新しい病院への欲求が高まった頃、200床程度の規模でその病院は開院した。 何もない開院したての病院。外来の棚の中は空っぽ。買ったばかりの備品は全てダンボールの中。事務も看護もみんな初対面。場所によっては、誰かが梱包をあけて棚に備品を並べてくれていたりするけれど、どれもビニールがかかったまま。洗面台の水は妙にシンナー臭い。 新しい病院を立ち上げる仕事は楽しい。医師の派遣元にも十分な人手はいないので、みんな交代で出張。 新しい病院。新しい町。医局の引継ぎノートには、新しく作った約束処方、備品のありか、地元に詳しい事務の名前や電場番号、近所のコンビニの場所などが記載されていく。遊びに行くにもどこにいっていいのか分からないから、医局の冷蔵庫には魚肉ソーセージと酒の瓶。毎晩野

    或る病院の一生
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