今回から、山本八左衛門作『男色子鑑《なんしょくこかがみ》』(元禄六[一六九三]年刊)巻四の一「縁は朽ちせぬ二世の契り」を読むことにします。 何でこの話を読むことにしたかは、最後に改めて言いますね。 『男色子鑑』はタイトルで分かるように、井原西鶴の『男色大鑑』に便乗して出された作品です。 『男色子鑑』の作者が九二軒鱗長《きゅうじけんりんちょう》と間違って紹介されていることがよくありますが、九二軒鱗長は、『男色子鑑』の改題改修増補本の『和国小性形気《わこくこしょうかたぎ》』の作者です。 ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 男色子鑑 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 『男色子鑑《なんしょくこかがみ》』巻之四 「縁《ゑん》は朽《く》ちせぬ二世の契り」 付けタリ 生きながら食ふ灵供《れうぐ》の飯《いひ》 弟子に貰ふて玄斎《げんさ