ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (46)

  • 氷が解ける北極圏、新たな覇権争いの場に

    カナダ北部ヌナブト準州のコーンウォリス島で行われたサバイバル訓練中、カナダ兵が飛行機の残骸に上る。北極の温暖化に伴い、将来の覇権をめぐって緊張が高まるなか、カナダ軍と米軍は北極での活動を強化している。PHOTOGRAPH BY LOUIE PALU 人類史の大半を通じて、北緯66度以北の世界は、大規模な商業活動とはほぼ無縁だった。探検家や投機家、科学者は長年、北極の氷の下には豊かな資源と海上輸送ルートがあるとみていたが、耐えがたい寒さ、暗い冬、そして人里からあまりに遠い地理的条件が開発を妨げていた。 今の北極は緑が多く、トナカイは減り、蚊が増え、夏の気温は上がっている。最も気になる変化が起きているのは海だ。夏季の海氷面積は驚くほどのペースで縮小している。米航空宇宙局(NASA)の研究者による推定では、海氷面積は年平均およそ5万4000平方キロのペースで縮小しているという。2014年の「全米

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  • 東京大都市圏、外国人が見た「欠如」とは

    東京の表参道を行き交う人々が、建物の鏡に映る。人口3700万人を超す世界最大の大都市圏を形成する東京は、治安の良さや清潔感、活気、先進性でも世界屈指の都市だ。PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER 米ハーバード大学の経済学者エドワード・グレイザーによると、都市は人類最高の発明だという。だとすればその最高の実例が東京だろう。人口3700万人を超す世界最大の大都市圏を形成し、世界屈指の豊かさと治安の良さ、創造性を誇る都市だ。 巨大都市が人間に与える影響にさほど興味がなくても、東京は避けて通れない。なぜなら東京はあなたの生活をすでに変えているから。この都市は絶大な影響力をもつし、世界が日文化とつながる中継点でもある。 東京の旺盛な創造力は、過去100年に2度も壊滅的な被害を受けた歴史と切り離せない。最初は1923年の関東大震災、2度目は第2次世界大戦末期の大空襲だ。東

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  • 地球内部にエベレストより高い「山」を発見、研究

    ヒマラヤ山脈に踊る影。国際宇宙ステーションから宇宙飛行士が撮影した。(PHOTOGRAPH BY NASA) 地底には確かに山が存在した。まるでジュール・ヴェルヌの小説『地底旅行』のような話だが、ただし、これまでどのSF作家が描いてきた世界とも違い、その山は地球内部の層構造の一部である。 複数の巨大地震による地震波を分析した最新の研究で、地底の山の鮮明な姿が明らかになった。2月15日付けの学術誌「サイエンス」に発表された論文によると、地下660キロメートル付近の、マントルの上部と下部を隔てる境界面に沿って巨大な山々が連なっており、中にはエベレストより高い山もあるという。(参考記事:「謎の地震が世界を駆け巡る、20分超継続、原因不明」) 山はただ高いだけでなく、驚くほど起伏に富んでいた。この研究結果から、太陽系でなぜ地球だけが特殊な存在なのかを説明する手がかりも得られそうだ。 「既に多くのこ

    地球内部にエベレストより高い「山」を発見、研究
  • 食事の変化が「f」「v」の発音を生んだ、研究

    ネアンデルタール人の男性の頭蓋骨。物の咀嚼により歯がすり減った結果、上下の前歯がぴったり合わさる切端咬合になっている。人類の歯のかみ合わせは、その歴史のほとんどの期間、切端咬合だった。(PHOTOGRAPH BY LIGHTREIGN, ALAMY) 「f」や「v」の発音は、事の変化によって生まれたのかもしれないとする研究成果を、スイス、チューリヒ大学の言語学者のチームが3月15日付け学術誌「サイエンス」に発表した。 生体力学と言語学的証拠にもとづいた今回の研究によると、農耕の開始にともなって柔らかい物をべることが増えた結果、人類の歯のかみ合わせが変化し、「f」と「v」の音を発音しやすくなったというのだ。「私たちの研究をきっかけに、言語の特徴の一部が生物学と文化の間にあるものとして研究されるようになってほしい」と、論文の筆頭著者のダミアン・ブラーシ氏は語る。(参考記事:「べ物で顔

    食事の変化が「f」「v」の発音を生んだ、研究
  • 揺れない“幻の地震”が発生か、50日継続、トルコ

    トルコ、イスタンブールのオルタキョイモスクが夜明けのピンク色の光を浴びる。ここから近いマルマラ海の掘削孔から、2016年夏にトルコでスロースリップが起きていた可能性が明らかになった。(Photograph by Robert Harding Picture Library) 2016年夏、トルコ北西部で大きな“地震”が発生した。この地域は非常に活発な断層帯であり、過去にも激しい地震が起きていることを考えれば、それほど珍しいことではない。 この地震が奇妙だったのは、誰1人として揺れを感じなかった点だ。しかも、その地震は50日間も続いた。(参考記事:「謎の地震が世界を駆け巡る、20分超継続、原因不明」) 学術誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載された新たな論文によると、この現象は、「スロースリップ(ゆっくり地震)」と呼ばれる、かなり特殊なタイプの地

    揺れない“幻の地震”が発生か、50日継続、トルコ
  • さよならオポチュニティ 記憶に残る火星探査機

    火星の地表に降り立ったNASAの火星探査機の想像図。双子の火星探査機スピリットとオポチュニティは2003年に打ち上げられ、2004年1月にそれぞれ火星の別々の地点に着陸した。(ILLUSTRATION BY NASA, JPL/ CORNELL UNIVERSITY) NASAの火星探査機といえば、2018年11月に着陸成功したインサイトが記憶に新しい。その陰で14年以上にわって火星の表面を走り続けた探査機が、2019年2月14日に使命を終えた。火星探査機オポチュニティだ。(参考記事:「火星に着陸成功、探査機インサイトはこれから何をする?」) NASAはジェット推進研究所(JPL、米カリフォルニア州パサデナ)での記者会見で、オポチュニティに別れを告げた。オポチュニティが火星に送り込まれたのは2004年1月25日のこと。まだFacebookもiPhoneもなく、現在のミッションに従事するNA

    さよならオポチュニティ 記憶に残る火星探査機
  • 卵みずから毒ガス放ち巣を守る、ハチで発見

    ミツバチの体を麻痺させて巣穴へ持ち帰るオオツチスガリモドキ(Philanthus triangulum)。巣の中で、獲物の体に卵を産み付ける狩りバチだ。(PHOTOGRAPH BY GUDRUN HERZNER) ハチの毒針は、敵から身を守る強力な武器だ。しかし、その卵は柔らかくて細長く、動けもしないので、カビにやられればひとたまりもない。 ところが、ハチの仲間であるオオツチスガリモドキ(Philanthus triangulum)の卵が、驚きの方法でみずからを守るという研究結果が発表された。生けるガス弾よろしく、抗菌ガスを放出して、巣がカビるのを防ぐという。この論文は、査読前の論文を発表するサイト「BioRxiv」に投稿された。 オオツチスガリモドキは単独で生活する狩りバチだ。メスはまずミツバチを捕らえ、体を麻痺させる毒を注入し、動かなくなってから土の中の巣穴に引きずり込む。そして、ミツ

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  • ナマコは700%膨張して海を大移動、最新研究

    ノルウェーに生息するキンコ属のナマコ(Cucumaria frondosa)。最新の研究によると、一部のナマコは体を膨張させて大移動するという。(PHOTOGRAPH BY SUE DALY, MINDEN PICTURES) ナマコは長い間、海底をのろのろ動くだけの生き物と考えられてきたが、実は意外な方法で大きく移動できるらしいことが最新の研究でわかった。ナマコは暮らしている環境を変えたくなると、体を風船のように膨らませ、流れに身を任せて海の中を漂うのだ。 これまでナマコは、海底に暮らすほかの生物と同じように、幼生の時期にだけ長距離を浮遊すると考えられてきた。成体になった後は海底をはって暮らし、敵が来たら少し速く動くくらいだと。しかし実際は、はるかに効率的な移動手段を隠し持っているようだ。大量の水を吸い込み、比重を下げることで浮力を得て、海底から離れ、海の流れに身を任せるのだ。(参考記事

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  • 謎の地震が世界を駆け巡る、20分超継続、原因不明 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    アフリカ大陸の東に浮かぶ仏領マヨット島。(Photograph by Hemis/Alamy Stock Photo) 11月11日の朝、世界時(UT)で9:30になる直前に、謎の地震が世界を駆け巡った。 その地震は、アフリカ大陸の東海岸とマダガスカルの北端とに挟まれる、仏領マヨット島の24キロメートルほど沖で発生した。震動はザンビア、ケニア、エチオピアといったアフリカ諸国のみならず、チリ、ニュージーランド、カナダ、そして1万8000キロメートル近くも離れたハワイにまで到達した。 加えて、地震は20分以上続いた。にもかかわらず、揺れを感じた人間は誰もいなかったようなのだ。 異変に気づいたのは、米国地質調査所のリアルタイム地震観測モニターを見ていた、ある人物だった。ハンドルネーム「@matarikipax」という地震マニアが、この奇妙なジグザグの波形の画像をツイッターにアップロードした。この

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  • 【動画】なぜセックスは隠れてするのか、鳥で研究 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    アラビアヤブチメドリ(Turdoides squamiceps)は人間と同様、優位に立つカップルでも日常的に性行為を隠す。このような行動が科学文献に記録されている、人間以外で唯一の種だ。研究チームがその理由を探った。 アラビアヤブチメドリ(Turdoides squamiceps)の英語名 Arabian babbler は、アラビアのおしゃべりという意味だが、名前に似合わず私生活を他言することはない。 最新の研究によれば、群れのなかで優位に立つカップルであっても、アラビアヤブチメドリはわざわざ仲間から隠れて交尾を行うという。このような行動は人間特有のものと広く考えられてきた。(参考記事:「東ヒマラヤの新種――チメドリ」) 「群れを支配するオスとメスはカップルとしてのコミュニケーションや交尾そのものを隠すため、相当な努力をしています」と話すのは、学術誌「Evolution and Huma

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  • 米国で見つかった日本の軍事機密「地図」14点

    が作成した北朝鮮、平壌近郊の地図。(Photograph from Stanford University) 第二次世界大戦後、日を支配下においた米軍は、日の軍事機密となっていた地図とその原版を大量に接収し、米国に送っていた。その地図が近年発見され、注目を集めている。 日軍の地図はアジアの多くの地域を網羅し、地形に加え、気候、輸送システム、現地の生活の情報が詳細に記されていた。こうした情報は侵略や占領の計画立案に使われたと思われ、一部には敵国に送り込まれたスパイが収集したものもある。 これらの地図は「外邦図」と呼ばれるもので、米国にとって諜報活動に役立つ貴重な資料となった。敗戦国の情報だけでなく、新たに台頭してきた敵、すなわちソビエト連邦の情報も含まれていたからだ。米国陸軍地図局は、こうした戦略上重要な資産を1カ所に保管しておくのは無謀と考えた。核攻撃でも受けようものなら、すべて

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  • 「バベルの塔」など、驚きの古代モザイク画を発掘 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    【ギャラリー】「バベルの塔」など、驚きの古代モザイク画を発掘、写真10点(写真クリックでギャラリーページへ) 預言者ヨナが巨大な魚にのみ込まれ、足が魚の口から出ている。物語を誇張するため、ヨナをのみ込む魚をさらに別の魚がのみ込んでいる。(PHOTOGRAPH BY ODED BALILTY, NATIONAL GEOGRAPHIC) イスラエルにある5世紀のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)の床を飾っていたモザイク画。考古学者たちが2012年以来、遺跡を発掘してきたが、このたび、これまで以上に驚くべき場面が姿を現した。(参考記事:「出エジプト描いた貴重なモザイク画が出土」) フコックの遺跡はガリラヤ湖から約5キロ西にある。発掘の責任者で、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校のジョディ・マグネス氏によると、シナゴーグの床に描かれたものとしては異例の題材に驚かされるという。(参考記事:「古代シナゴー

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  • 竹島の観光地化、フランス人写真家が見た 写真17点

    海の真ん中、日韓国のほぼ中間地点に、2つの岩山のような小島がある。この島はしかし、300年以上にわたって日韓国の争いの中心になっている。日では竹島、韓国では独島(トクト)、第三国ではリアンクール岩礁と呼ばれている島だ。 ここは決して観光客向けの場所ではない。しかし、韓国の熱狂的な愛国者たちは、集団でこの島を訪れる。そして、国旗を掲げ、自撮り写真を撮り、音楽を演奏し、遊歩道を行進し、韓国がみずからの領土だと主張する海岸線を見物するなど、彼らにとっての「国民の義務」を果たす。 2018年の夏にこの島を訪れたフランス人写真家のティム・フランコ氏は、ナショナル ジオグラフィックの取材に対して次のように話している。「韓国人は、文化や人種を非常に大切にします。どんなものであろうと、所有物は守りたいと思うのです。独島はその良い例です。第二次世界大戦以降保有してきたものであり、それを守ること

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  • 夏の異常気象、2100年までに1.5倍に? 最新研究

    2016年5月6日、カナダ、アルバータ州フォートマクマレー近郊の森が炎に包まれた。今回の研究では対象とされたのは、壊滅的な被害を出したこの山火事のような災害だ。(PHOTOGRAPH BY COLE BURSTON, AFP/ GETTY IMAGES) 2018年の夏、北半球では、前例のない熱波や干ばつ、洪水、山火事などが多発した。これらの気象災害は、北極の急速な温暖化によってもたらされる大気の状態と関連がある。10月31日付けの学術誌「Science Advances」に発表された新たな論文によると、このまま地球温暖化が続けば、こうした気象災害は2100年までに平均で1.5倍に増え、最大で3倍になる恐れもあるという。 史上最悪の被害をもたらした米カリフォルニア州の山火事や、ヨーロッパの熱波、前代未聞の北極圏での森林火災、日の洪水はすべて、上空のジェット気流が遅くなり、極端な気象状況が

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  • 9割の食塩からマイクロプラスチックを検出

    インドネシアのマドゥラ島では、伝統的な天日製塩で塩が作られている。新たな研究によって、この地域で生産される塩はマイクロプラスチックの含有量が特に高いことがわかった。(PHOTOGRAPH by Ulet Ifansasti, Getty Images) 数年前、海塩からマイクロプラスチックが初めて見つかった。しかし、調味料として身近な塩に、プラスチック微粒子がどのくらい含まれているかについては、分かっていなかった。新たな研究で、世界の塩の9割にマイクロプラスチックが含まれているというショッキングな結果が報告された。(参考記事:「研究室 忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実」) この研究は、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが、塩に関する既存研究を活用してまとめたものだ。塩に含まれるマイクロプラスチックが地理的にどう広がっているか、プラスチック汚染

    9割の食塩からマイクロプラスチックを検出
    haretaL512
    haretaL512 2018/10/23
    まぁ伯方の塩はメキシコ産なんで
  • 準惑星ケレスで見つかった「氷の火山」、謎を解明

    NASAの探査機ドーンが撮影した準惑星ケレスの写真から作成された画像。盛り上がっている部分は、アフナ山と名付けられた謎の氷火山。(PHOTOGRAPHY BY NASA/JPL/DAWN MISSION) 準惑星ケレスは、火星と木星の間の小惑星帯にある最大の天体だ。この星で氷を噴き出す火山が見つかったことがきっかけで、数多くの謎が浮かび上がった。なぜ火山は一つしか見つからないのか? 地質活動のエネルギーはどこから得ているのか? 9月17日付けの学術誌「Nature Astronomy」に発表された論文は、これらの謎に一つの答えを示した。過去10億年の間、ケレスでは複数の火山が絶えず活動していたのではないかというのだ。 NASAの無人探査機ドーンは、2015年3月にケレスの周回軌道へ入って以降、氷に覆われた地形や輝く謎の点などを間近にとらえた写真を地球に送り続けている。(参考記事:「準惑星ケ

    準惑星ケレスで見つかった「氷の火山」、謎を解明
    haretaL512
    haretaL512 2018/09/21
    生命は絶対居ると思う。だけど知的生命体は果たして地球以外にいるのだろうか?
  • 「鏡の中の自分」がわかる魚を初確認、大阪市大 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    ホンソメワケベラ(Labroides dimidiatus)には、鏡で自分の姿を認知する能力があるかもしれない。だとすれば、動物の知能や自己認識について多くの疑問が湧いてくる。写真ではフグのえらを掃除中。(PHOTOGRAPH BY CHRIS NEWBERT, MINDEN PICTURES/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 鏡に映った自分の顔に汚れがついていたら、ほとんど無意識のうちにぬぐい取ろうとするだろう。簡単なことのようだが、これができるのは人間以外にはオランウータンやイルカなど、ごく限られた賢い種だけだ。人間でさえ、幼児期にならないと鏡の中に見えるのは自分自身なのだと認知できない。 だが、大阪市立大学の幸田正典氏らが8月21日付けで論文投稿サイト「BioRxiv.org」に発表した研究で、小さな熱帯魚のホンソメワケベラ(Labroides dimidi

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  • 【動画】ゾウが死ぬとその巨体はどうなるのか

    ゾウが死んだ後に起こること:死骸がハイエナやハゲワシにべられてなくなるのも自然の営みの一つだ(一部、ショッキングな映像があります)。(解説は英語です) 70年生き、体重は7トンになることもあるアフリカゾウ。ゾウが死ぬと、仲間のゾウたちは集まってきて、数日から数週間、ときには数年間もその死を悼むことがあるという。(参考記事:「ゾウは取り乱した仲間を慰める」) ただし、ゾウにとっての死は、ほかの動物にとっては生存を意味する。ゾウが息絶えると、ハイエナやハゲワシといった腐肉動物たちが、その死骸を数日で骨だけにしてしまう。数百万カロリーを死骸から得る動物の中には、絶滅危惧種となっているものもいる。大きなゾウは死んでも、そこから別の生命に受け継がれていくのが自然の摂理だ。 ナショジオ ワイルドのテレビ番組「サファリライブ」(ワイルドアースメディア制作)の撮影クルーは最近、南アフリカで死んだゾウの

    【動画】ゾウが死ぬとその巨体はどうなるのか
  • 第1回 依存症は厳罰主義では解決しない

    薬物依存、とりわけ、覚せい剤の乱用は、現在の日社会におけるひとつの大きな問題だ。 厚生労働省によれば、平成になってからの四半世紀、覚せい剤取締法違反で検挙された人数は時に2万人、近年、減少傾向にあるとはいえ毎年1万人以上を数える。これは、違法薬物の中で圧倒的な1位で、2位の大麻にくらべて常に数倍にのぼる(いずれも輸出入や製造・栽培についての検挙も含まれているので、単純に使用したことで検挙された人の数ではないことには留意)。 社会的な関心も大きい。 例えば、芸能人が、覚せい剤を使って逮捕されたとする。 ワイドショーはもちろん、ニュース番組ですら、時に政治や国際問題よりも多くの時間をさいて伝える。スポーツ紙や週刊誌は、さらに強い関心を寄せるかもしれない。 「転落への道」「心の闇」などといった紋切り型の言葉を使い、「信頼を裏切った」「ファンに申し訳が立たない」と断罪することも多い。 「いち早い

    第1回 依存症は厳罰主義では解決しない
  • 保存か? 解体か? 名建築「中銀カプセルタワー」の内部写真21点

    東京・銀座のはずれに、風変わりな建造物がある。かつて日の未来のビジョンを体現していた「中銀カプセルタワービル」だ。 設計者は「メタボリズム」のパイオニア、黒川紀章氏。メタボリズムは1960年代の建築運動で、急速かつ継続的に発展する都市景観の変化に適応し得るようなダイナミックな建物という概念を提示した。(参考記事:「エコ都市を目指すドバイ」) タワービルは洗濯機を積み重ねたような外観だ。鉄筋コンクリート造の2つのタワーと、「取り外し可能」な直方体の部屋から成る。各部屋の床面積は約10平方メートル。工場で製造したものを4つのボルトでタワーに固定している。タワーはそれぞれ11階建てと13階建てになる。カプセルと呼ばれる部屋には、つくり付けの家具や電化製品が完備されており、航空機のトイレと同じ大きさのバスルームもある。

    保存か? 解体か? 名建築「中銀カプセルタワー」の内部写真21点