(2016年11月24日診断から約9年9ヶ月) 前回からの続きです。 昨年2016年の秋は、おママがアルツハイマー型認知症の診断を受けてから約9年9ヶ月経ちます。 今までよく順調にきたものです。 この時期になると、ジジも私もおママが家族を忘れているのは織り込み済みでした。それでも、何度目になっても、目の当たりにするのは辛いものです。 *ジジの溜息 私が実家に行くと、ジジは溜息をつきながら言いました。 「昨夜、夜中にまた…。あと眠れなくなったよ。」 夜中にジジがおトイレに起きた時、おママがぼんやりと布団から身体を起こしていたので驚いたそうです。 「どうしたの?」 そう訊ねると、おママは言いました。 「ここは何処ですか?私の家ですか?」 小さな電球だけが灯る暗い寝室で聞くこの言葉。ジジはギョッとしましたが、気持ちを落ち着かせて言いました。 「あなたの家ですよ。」 「私はずっとここに居て良いんで