【石平のChina Watch】 国際エネルギー機関は今月6日、世界の二酸化炭素(CO2)排出量に関する報告書を発表した。それによると、2007年度の世界のCO2排出量288億トンのうち、中国は61億トンと全体の21%を占め、米国の20%を上回って、とうとう世界一となった。関連記事ある中国人戦略家の国防観日本人に健全な国防意識必要記事本文の続き 地球温暖化への影響の面で、中国はすでに最主要国の一つとなっているが、問題はむしろこれからだ。中国の石油・石炭などの一次エネルギーの消費はまさに今から、急増が見込まれているからである。 たとえばCO2排出の主力の一つである自動車の場合、08年における中国の民間自動車保有台数は約5100万台で、普及率は5%未満だった。自動車保有台数2億2000万台で普及率が78・7%というアメリカの数字からすれば、中国はいまだに、車社会の入り口にあるにすぎない。 09