第91回「113日」藤島 大 ひとつになる。こわい言葉だ。 今回の震災後、日本列島にも満ちあふれている。本当は「ひとつにならずにすむよう一刻も早い復興を」のほうがふさわしい。ひとりずつの違い、正しく明るいばかりでないはずの個性や現実を「悲劇」が飲み込んでしまうから天災は残酷なのだ。あまりにも圧倒的な現実が「あらゆる違い」を平準化してしまう。 でも、スポーツという限定された空間と時間でなら、まさに「チーム」はひとつになってもらわなくては困る。ラグビーのジャパンももちろん。 チームがひとつになる。まずは人と人の関係。チームワークと同義だ。もうひとつ、「強度」の問題もある。つまり負荷耐性のようなことである。ひとつに強く固まるイメージ。たいがい、両者は相関している。ストレスを乗り越えた経験のないチームワークは砂糖菓子のように甘くもろい。ここは「猛練習の効用」という研究領域にも結びつく。 家電、たと