東日本大震災の被災地で給食の提供さえままならない状況に思いをはせようと、福山市教委は5日、市立の小中学校、幼稚園の給食で、通常は1人245円の食材費を145円に抑えた「粗食献立」を行った。約3万人分で、浮いた約300万円は復興支援のために寄付する。 献立は、ご飯と豚汁、味付けのりと牛乳だけで、子どもたちが一番楽しみにしている主菜はなし。福山市木之庄町、市立樹徳小の2年2組では、主任栄養専門員の今川京子さん(53)が「この献立でさえ出せない地域があった。同じ小学生の苦労を考えて」と呼び掛けた。子どもたちは「大切に残さず食べます」などと発言し、給食を平らげていた。 市川友翔君(7)は「早く、みんながおなかいっぱい食べられるようになってほしい」と願っていた。 宮城、岩手両県などの被災地では調理施設が被害を受けたため、パンやおにぎりと牛乳だけの「簡易給食」を続ける学校が相次いだ。