アフガニスタンで拉致された韓国人キリスト教徒の方々の安否が気にかかるところ、一昨日、健康を害している二人の女性が釈放され、赤新月(イスラム教国の赤十字機関)社に引き渡されたと報道されている。 残る人たちの速やかな解放を期待する。 ところで、第2次世界大戦の時、赤十字国際委員会(ICRC)が困惑したのが、日本側が捕らえた捕虜の取扱いだった。 1929(昭和4)年の「俘虜ノ待遇ニ関スルジュネーブ条約」に日本は加盟していなかったからだ。 ①日本には捕虜になるものがいないからこの条約は一見双務的だが、実際は片務的である、 ②敵側には捕虜になることを前提とした攻撃が可能である、 ③ICRCの代表が立会い人なしに捕虜と面会できるとなれば機密保持が心配、 ④わが国の俘虜関連法規の見直しが必要となる、 などが、この条約への調印すれども批准せずの原因であった。(詳しくは、拙著『捕虜の文明史』新潮選書) だか