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  • 左地 亮子『現代フランスを生きるジプシー ―― 旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』 受賞者一覧・選評 サントリー学芸賞 サントリー文化財団

    1980年生まれ。 筑波大学大学院人文社会科学研究科修了(現代文化・公共政策専攻)。博士(学術)。日学術振興会特別研究員(PD)などを経て、現在、国立民族学博物館グローバル現象研究部機関研究員。 論文:「空間をつくりあげる身体 ― フランスに暮らす移動生活者マヌーシュのキャラヴァン居住と身構えに関する考察」(『文化人類学』第78巻第2号所収)など。 『現代フランスを生きるジプシー―旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』は人類学者である著者が南仏ポーで観察参加を試みたマヌーシュと呼ばれる共同体の研究である。タイトルに敢えて「ジプシー」と言う言葉が使われているのは、ロマ(88%)、ジタン/カーレ(10%)、マヌーシュ/シンティ(2~3%)などの下位集団からなる都市移動民に対する総称がこれ以外には存在しないという理由からである。 それはさておき、書は著者が考えている以上に重要な発見を含んだ

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    haruhiwai18 2017/12/19
    "共同体内部の争いを調停する政治的組織をもたない""移動は家族間対立の解消手段として…""二つの家族集団間に不和が生じると、どちらか一方の家族集団が移動を再開し、物理的な分離" →興味深い(こなみ
  • 選評 第34回 サントリー学芸賞決定 2012.11.13 ニュースリリース サントリー

    政治・経済部門> 井口 治夫(いぐち はるお)(名古屋大学大学院環境学研究科教授) 『鮎川義介と経済的国際主義 ―― 満洲問題から戦後日米関係へ』(名古屋大学出版会) 鮎川は、明治13(1880)年、山口県に生まれ、昭和42(1967)年、没した。大叔父が井上馨、義弟が久原房之助、岸信介、佐藤栄作も親戚という濃密な長州人脈を背景に、卓抜な経営の才覚を発揮し、日産コンツェルンを作り上げ、関東軍の要請でこれを満州に移して満洲重工業を作り上げ、満州国の建設に大きな役割を果たした。その勢力は、関東軍参謀長の東条英機、国務院総務長官の星野直樹、総務庁次長の岸信介、満鉄総裁の松岡洋右とともに、ニキサンスケと呼ばれるほどであった。 このは、鮎川の活動の国際政治的意味を解明しようとした研究である。鮎川は、日の産業の高度化のために、アメリカの導入が不可欠であると信じ、満州事変以後には、アメリカ

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    haruhiwai18 2017/03/07
    "満州が日本に対する資源供給においては成功していても、産業の高度化という点では失敗し、対ソ安全保障能力の強化という目的においても失敗していたことを把握していた。" →シリーズ・アメリカさんは知っていた
  • 吉田 寛 『絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉―― 十九世紀』を中心として 受賞者一覧・選評 サントリー学芸賞 サントリー文化財団

    1973年生まれ。 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(美学芸術学専攻)。博士(文学)。 東京大学大学院人文社会系研究科助教などを経て、現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授、ロンドン大学ゴールドスミス校客員研究員。 著書:『ヴァーグナーの「ドイツ」』、『〈音楽の国ドイツ〉の神話とその起源 』、『民謡の発見と〈ドイツ〉の変貌』(すべて青弓社) 受賞対象は『絶対音楽の美学と分裂する〈ドイツ〉』だが、これはシリーズ『〈音楽の国ドイツ〉の系譜学』の第三部として書かれている。第一部は『〈音楽の国ドイツ〉の神話とその起源』、第二部は『民謡の発見と〈ドイツ〉の変貌』。したがって、三部作の全体が評価されたと言っていい。 シリーズの焦点は、「音楽と言えばドイツドイツと言えば音楽」と広く言われてきたし、また現在も言われているが、そうなったのはせいぜいこの200年のことにすぎないということであ

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    haruhiwai18 2016/01/20
    "ショーペンハウアーはロッシーニを絶対音楽のモデルとしていたというエピソードも面白ければ、ヘーゲルがかなりのロッシーニ・ファンであったという、その書簡から引かれ" →ロッシーニの偉大さ(こなみ
  • 井上 章一 『つくられた桂離宮神話』を中心として 受賞者一覧・選評 サントリー学芸賞 サントリー文化財団

    1955年、京都府生まれ。 京都大学大学院工学研究科修士課程修了。 京都大学人文科学研究所助手。 著書:『霊柩車の誕生』(朝日新聞社) 井上さんの『つくられた桂離宮神話』をめぐって、サントリー学芸賞の芸術・文学部門選考委員会は、かつてないほどの激論が闘わされた。 このの推薦者はいう。「桂離宮は一般に信じられているような日建築美の枠などではなく、むしろ芝居の書割建築のように表現性の多いものであることはすでに建築家のあいだでは知られていることではあるが、それを一般的に解説ししかもその桂離宮を主人公にして、小説のごとく面白く読ませる点は出色である。とくに最後のブルーノ・タウトと川端康成と著者自身とをダブらせるあたりに技巧の極をみる」と。 これにたいして、多くの疑問が提出された。その最大のものは、この才気溢れる(この点については誰しも異論がない)文体を成立させているレトリックヘの不信である。「

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    haruhiwai18 2015/06/08
    "法隆寺の金堂なども二階に見せかけている""伊勢神宮本殿の高欄なんか…隠れて見えないからいいようなものの、中身はパチンコ屋まがいのギンギラギンの装飾" →ギンギラギンにさりげなく、の伊勢神宮(マテヤコラ
  • 第36回 サントリー学芸賞 選評 2014.11.12 ニュースリリース サントリー

    政治・経済部門> 大西 裕(おおにし ゆたか)(神戸大学大学院法学研究科教授) 『先進国・韓国の憂 ―― 少子高齢化、経済格差、グローバル化』(中央公論新社) 普通の、過不足のないおつき合い、それが意外に難しい。とりわけ日にとって、米国、中国韓国のような近所で最重要の国々との間がこじれやすい。日米は20世紀の前半に激突し、太平洋で死闘を繰り拡げた。その悲劇をかみしめた戦後は、互いに気配りをもって大事にする関係を再構築し、驚くべきことに70年にわたり友好と同盟を切らさずにいる。 日米とは逆に、普通のやわらかな関係を安定させ得ないのが日韓である。無理もない、と言うべきかもしれない。日米がそれまでの認識不足と偏見に満ちた自己主張を、太平洋戦争でぶつけ合い、飛び散らせたのに対し、韓国はその瞬間まで日帝国の支配下にあった。民族のあらゆる不幸の起源を外国支配に帰する想いは、戦後の時代に容易に

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    haruhiwai18 2014/11/13
    "高価な高等教育ほど、私的負担が重いということは、そこで得た結果や利益も私的なものと見なしやすい。日本の教育費負担に関する問題の一つは、ここにあると思われる" →"公共心"とは、何だったのか?w
  • https://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2014_5/

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    haruhiwai18 2014/10/05
    "特に、鎌倉時代、仏教彫刻界に新風を吹き込んだ仏師・運慶による国宝《八大童子像(はちだいどうじぞう)》を全躯そろって存分に鑑賞できる貴重な機会となります。" →この秋 檜山さんと赤坂で会える!(違
  • 待鳥 聡史 『首相政治の制度分析 ―― 現代日本政治の権力基盤形成』 受賞者一覧・選評 サントリー学芸賞 サントリー文化財団

    1971年生まれ。 京都大学大学院法学研究科博士後期課程退学。京都大学博士(法学)。 大阪大学法学部助教授などを経て、現在、京都大学公共政策大学院・大学院法学研究科教授。 著書:『〈代表〉と〈統治〉のアメリカ政治』(講談社)、『財政再建と民主主義』(有斐閣)、『日の地方政治』(共著、名古屋大学出版会)など。 日とは何か。戦後日政治とは何か。 私などが大学に残ってそれを考えようとした時代には、歴史という物差をもって測る他ないと思った。戦前から戦後へ日政治はどう変ったか。カメのような愚鈍さで新旧を比較することから始めた。 書の著者の世代は違う。国際的な比較の中で日政治を見る学問的飛び道具が使える。著者が奉ずる比較制度論は、アメリカ政治学が洗練された成果をあげている分野であり、日では村松岐夫の弟子らがそれを展開している。 大統領制と議院内閣制は対照においてよく議論されるが、比較制度

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    haruhiwai18 2013/03/10
    "かつては官邸が無能でも、党と官僚機構が大概のことをやれた。権力を官邸に集中した今は、首相が自ら力強い手腕に恵まれ、有能なスタッフを官邸に集めなければ、政治全体が悲惨な事態に" →強靭な内蔵の必要性(違
  • サントリー学芸賞 サントリー文化財団 サントリー

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    haruhiwai18 2011/03/20
    "古代社会が発展して富裕階層が成長する背景には、奴隷労働力への需要が大きく、そのかなりの部分が遺児で占められ" →もうひとつのローマ人の物語/しかも遺棄されたのは"堕胎は母体を損なう可能性が高かった"から
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