1980年生まれ。 筑波大学大学院人文社会科学研究科修了(現代文化・公共政策専攻)。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て、現在、国立民族学博物館グローバル現象研究部機関研究員。 論文:「空間をつくりあげる身体 ― フランスに暮らす移動生活者マヌーシュのキャラヴァン居住と身構えに関する考察」(『文化人類学』第78巻第2号所収)など。 『現代フランスを生きるジプシー―旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』は人類学者である著者が南仏ポーで観察参加を試みたマヌーシュと呼ばれる共同体の研究である。タイトルに敢えて「ジプシー」と言う言葉が使われているのは、ロマ(88%)、ジタン/カーレ(10%)、マヌーシュ/シンティ(2~3%)などの下位集団からなる都市移動民に対する総称がこれ以外には存在しないという理由からである。 それはさておき、本書は著者が考えている以上に重要な発見を含んだ本