なぜ日本兵1万人が消えたままなのか、硫黄島で何が起きていたのか。 民間人の上陸が原則禁止された硫黄島に4度上陸し、日米の機密文書も徹底調査したノンフィクション『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』が11刷決定と話題だ。 ふだん本を読まない人にも届き、「イッキ読みした」「熱意に胸打たれた」「泣いた」という読者の声も多く寄せられている。 古銭が意味したこと 出土品の中でも特に多い印象だったのは、朽ちた5銭と10銭の硬貨だった。 「強制疎開で島民がいなくなった後も、買い物できる場所があったんですかね」。そんな疑問を口にする団員もいた。 答えを教えてくれたのは遺族の男性だった。「5銭と10銭は、死線(4銭)と苦戦(9銭)を越えて無事に帰ってほしいという思いを込め、出征する夫や父に家族が託したものですよ。千人針に縫い込んだりしたんです」。 千人針とは戦時中、敵弾を避けるお守りとして兵士に贈られたものだ。兵
![日本兵1万人がいまだ「行方不明」何があったのか…遺族が長年唱えていた「一つの仮説」(酒井 聡平)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7fabe3886c1d79f7b577d45ef7f53d39143692db/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fb%2F7%2F1200m%2Fimg_b73279e436d7d8aa847b62471ddc6c25169581.jpg)