白いクマとの絆が教える 人と野生動物の共生｜THE NIKKEI MAGAZINE心と身体だけでなく社会的にも良好な状態を目指すウェルビーイングが観光でも注目されている。自然や地域での体験を通じ心と身体を健やかにするだけでなく、地域の文化を理解し人々と交流することで、社会的な充足感を得る旅だ。カナダは従来こうした取り組みを続けてきた。「旅を通じて自分も地域も幸せにする」旅とは何か。カナダの各地から紹介する。 カナダには白い毛をまとったクマが2種類いる。ひとつは極北に住む、陸上最大の肉食動物ホッキョクグマ。シロクマとしておなじみだ。もうひとつは、太平洋に面した西海岸の森に住むスピリットべア（精霊のクマ）。生息数が極めて少ない「幻のクマ」だ。こうした普段は見ることが難しいクマとカナダでは出会うことができる。その背景には先住民や地域住民が長年にわたり野生のクマとの共生をはかってきた歴史がある。 西海岸のスピリットベア 森の守護神西海岸のブリティッシュコロンビア州に広がる世界最
