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  • 文学にみる障害者像-田山花袋著『重右衛門の最後』

    田山花袋著 『重右衛門の最後』榊原剛 『重右衛門の最後』の初出は、明治35年5月。それまで叙情的な作品を書き続けてきた花袋が、ゾラ、モーパッサンなどのフランス自然主義の影響を受け、人間を過不足なく、赤裸々に描こうとした転換期に書かれたものであり、わが国における格的自然主義を形成する契機となった、重要な作品のひとつである。 「自分」こと富山は16歳のときに東京に遊学し、麹町の中6番町の速成学館という小さな私立学校で、山県、根、杉山という青年たちと親しくなった。しかし、彼らは雄図むなしく途中で挫折、次々と故郷の長野県塩山村へと帰っていった。 それから5年後の夏、富山は塩山村を訪れ、消火演習をしている村人の中に根の顔を見つける。根の家で富山は、度重なる放火騒動のために、この一見平和な村が不安と恐怖に陥れられていることを知る。犯人はこの村の藤田重右衛門という歳の頃42、3の男で、身寄りのな

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