フィリップ・J・デーヴィス作・マーガリート・ドリアン絵(深町真理子訳)『ケンブリッジの哲学する猫』表紙 我々の日常的生活の中で目につく動物で際立っているのは、犬と猫ではないだろうか。それでは、人間から見て「哲学者」のイメージに最も近いのは? これはちょっと難しい。 犬は長らく人間の良き友とされ、その忠誠さがしばしば話題となってきた。忠犬ハチ公のイメージは典型的といえる。しかし、少し近すぎる感がしないでもない。いつも主人である飼い主のことを考えているように見える。犬独自の時間はあるのだろうか。 それでは猫はどうだろう? 猫も多くの人々にとって、大変近い動物なのだが、なんとなく人間と離れた「猫の領域」を固守しているようなところがないだろうか。時々、どこかへ行ってしまうような行動も見せる。ある距離を置いて、人間を観察?しているのではないか。 ここに取り上げるのは、世界の名門ケンブリッジ大学ペンブ
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