マイクロソフトは今年、800億ドル(約12兆1200億円)を人工知能(AI)に投じ、業界リーダーの地位を確保する意気込みだ。そのマイクロソフトが最近、「ChatGPT(チャットGPT)」のような生成AIを使う労働者の間で批判的思考能力が低下しているとの調査論文を発表した。なぜマイクロソフトなのか、という疑問が生じる。単に純粋な意味での科学的探求だという解釈はあり得るかもしれない。しかしマイクロソフトは恐らく、AIが特定の職業を不要なものにする波乱を先回りし、それでもAIはビジネスに有益だと証明したかったのではないだろうか。大手ハイテク企業がAIモデルの規模拡大を競う現在、マイクロソフトの姿勢は業界のビジネスモデルと社会的影響の両方において、配慮のあるアプローチとして新鮮にさえ思われる。 この論文がまとめたカーネギー・メロン大学との共同研究では、319人の頭脳労働者を対象にAIの利用方法を調
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