「地場産業を守れ」。その言や良し。だが本気で守るのは、決してたやすいことではない。時代に適合し、さらにはそれを先取りする気概や技術革新が常に必要である。それは時として「伝統」との軋轢を生む。 兵庫県の西脇市周辺で、200年以上の歴史を誇る播州織物。いうまでもなく、典型的な地場産業である。時代の波に洗われ、その存立基盤が脆弱化しつつあるのもまた、他の多くの産地と同様だ。 1913年、この地で創業した繊維機械商社・片山商店の5代目である片山象三さんが、軋轢や困難に抗して、新たな織物生産システムの完成に執着し続けたのは、「物心ついた頃から機織りの音を聞いて育った」という原体験があったからだ。 大量生産から少量多品種へ。転換を急がねば このままでは、地域から機織りの音が消えてしまうかもしれない。片山さんが、そんな強い危機感を抱いて立ち上がったのは2000年のこと。西脇市一帯では、現在でも国産シャツ
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