写真家の小野庄一(45)が、百寿者の撮影を始めたのは、1991年。鹿児島県屋久島で樹齢数千年の縄文杉を目にし、最も長く太陽の光を浴びた「人間」を撮ろうと思いたった。全国で150人以上。その出会いを経て今、小野は思う。 「21世紀の百寿者は、18年前とは別の生き物だ」 101歳の女性は乳がんを手術した。100歳の男性はパソコンで孫とメールで会話する。撮影のため薄化粧すると途端に目を輝かせ、鏡に映った自分に見入る女性……。時間を超越した「長老」のたたずまいはない。日常を生きる元気な高齢者が、ファインダーの先にいる。 ◇ 小野が生まれた63年、全国で153人だった百寿者は、現在、3万6000人超。100年前に生まれた女性の51人、男性の267人に1人が百寿者になった計算で、増加率は世界トップレベルだ。そして2050年の推計百寿者は、なんと70万人になる。 寿命の延びは国立社会保障・人口問題研究所
台風13号の目。月に照らされ壁のような雲が見えた。左は観測機のプロペラ(13日未明、先島諸島付近上空で)=鷹見安浩撮影 【グアム=野依英治】沖縄県・与那国島に接近した台風13号の規模や進路を正確に把握するため、米空軍の「ハリケーン・ハンター」10人が12日夜、WC130機で米グアム・アンダーソン米空軍基地から飛び立った。 この観測に本紙記者とカメラマンが同行した。 観測機は北西に針路をとり、まもなく暴風域に。機体は小刻みに揺れ、時に大きく乱高下する。風速20メートルを超す台風に、木の葉のように翻弄(ほんろう)される。 そして13日午前1時すぎ、観測機は高度3000メートル前後を飛行しながら、ちょうどバウムクーヘンのように環状に発達した積乱雲を突っ切って、台風の目に突入した。 あれほど荒れ狂っていた台風がここでは静まり、見上げると、晴れあがった上空には月がぽっかり浮かんでいる。脇に目をやると
【北京=杉山祐之】四川大地震被災地での活動を終え、21日に帰国する日本の国際緊急援助隊救助チームが、中国で絶賛されている。 生存者救出こそならなかったが、整列して犠牲者に黙とうをささげた1枚の写真が、中国人の心を激しく揺さぶったためだ。 この写真は、援助隊が17日、四川省青川県で母子の遺体を発見した時のもので、国営新華社通信が配信、全国のネットに転載された。 「ありがとう、日本」「感動した」「かっこいいぞ」……インターネット掲示板に賛辞があふれた。犠牲者数万人、遺体は直ちに埋葬という絶望的状況に圧倒されていた中国の人々は、外国、しかも、過去の「歴史」から多くが嫌悪感を抱く日本の救援隊が、二つの同胞の命にささげた敬意に打たれた。 「大事にしてくれた」ことへの感謝と同時に、失われた命もおろそかにしない姿勢は、「我々も犠牲者に最後の尊厳を与えるよう努力すべきだ」(新京報紙の論文)という、中国人と
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