イギリスで2人目の女性首相を務めたテリーザ・メイ氏(62)は、1人目のマーガレット・サッチャー氏と同じく、究極的には欧州をめぐる保守党の内輪もめが原因で、辞任に追い込まれた。 ただし、メイ氏はサッチャー氏と異なり、イギリス史にその名を深く刻む指導者の1人とはならないだろう。歴史に名を残すとしても、少なくとも2016年7月に首相に就任したときに、メイ氏自身が望んだとは違う形になるはずだ。 メイ氏は首相として、国内でないがしろにされた地域に手を差し伸べ、社会の「ひどい不正」を正したいと、そう願っていたのかもしれない。しかし、どういう意欲を抱いていたにせよ、メイ氏の首相としての3年弱を語る言葉はたったひとつ、「ブレグジット」だった。 前任者のデイヴィッド・キャメロン前首相が実施を決めた国民投票で、イギリス国民は欧州連合(EU)を離脱すると選択した。その決定の実現にメイ首相は乗り出し、全方位から押