最近、「おっ」と思う論説が少なくなってきた。 高校のころは中公新書を買っては未知なる世界に惹かれたぼくであっても、最近はどの本も読むたびに「昔の繰り返し」にしか思えないのだ。 その中にあって、非常に刺激的な「会社論」を見つけた。勘のいい人はすぐにどの人の言説か探せるだろう。 その人は言う。 ・会社に「志」を託すのはバカだ ・なぜなら、会社員とはカネのために働くのが筋であって、個人の志を実現するところではない ・会社が個人に「志」を求めるのであれば、会社は給料以上のものを提供せねばならない ・個人の「志」がなければ動かない会社は異常だ ・社外で勉強することの尊さを説く人は、その異常さに気付いているだろうか というもの。 これまで定時外でも働くことや、切磋琢磨することは美徳とされてきた。「給料が出なくても努力せねばならないときがある」と説く啓蒙書は今でもたくさん出ている。 しかし---。それは