【前回記事】 ・ミステリの基礎知識:新本格ミステリって何? - あざなえるなわのごとし 新本格作家の中でも、さまざまなジャンルでの活動が目立つ我孫子武丸氏について語る方が少ない。 ということで氏の過去作を振り返ってみたい。 【スポンサーリンク】 速水三兄妹シリーズ 我孫子武丸氏は1989年に「8の殺人」で講談社ノベルスよりデビュー。 ノベルス版は故・辰巳四郎氏イラストの表紙。 そして「0の殺人」「メビウスの殺人」に続く。 ……8以外、電子書籍にすらなってないのか。 えー、この速水三兄妹シリーズはそれぞれ 8の殺人:ジョン・ディクスン・カー 0の殺人:アガサ・クリスティ メビウスの殺人:エラリー・クイーン それぞれの本格作家の作品をイメージして書かれているため、作品によって起こる事件も雰囲気も全く異なる。 「8の殺人」では密室殺人だけれど、続く「0の殺人」ではトリッキーな連続殺人。 「メビウ