ソニー・ミュージックエンタテインメントは、2016年4月1日にグループ各社の役員人事を発表した。このうちアニメ製作やその映像音楽ソフト関連事業などを手掛けるアニプレックス、そしてアニメーション制作のA-1 Picturesでも異動があった。 アニプレックスでは、代表取締役で執行役員社長の植田益朗氏が取締役会長に異動した。執行役員社長は退任する。 執行役員常務であった岩上敦宏氏が新たに執行役員社長に就任、また代表取締役に昇格した。岩上敦宏氏は、アニプレックスのプロデューサーとして『魔法少女まどかマギカ』や<物語>シリーズなど、数々のヒット作を手がけてきた。ヒットメーカーが業績の好調が伝えられるアニプレックスを率いることになる。 ソニー・ミュージックエンタテインメントの取締役で、アニプレックスの取締役も務める今野氏敏博氏も代表取締役に昇格する。代表取締役は二人体制となる。 執行役員では、越智武
左)クランチロール共同創業者・CEOクン・ガオ氏 右)クランチロール日本法人社長 ビンセント・ショーティノ氏 10月22日、米国・サンフランスシコ市に本社を持つクランチロールは、住友商事と共にアニメ製作の投資を行う会社を共同設立すると発表した。新会社の名称や時期、出資比率、投資規模については今回明らかにされていないが、昨今のアニメビジネスの流れの早さから、かなり早い段階で立ち上がることになりそうだ。 発表によれば新会社は、日本アニメへの製作委員会への出資を目的とする。出資を通じて海外向けのアニメの権利などを獲得し、日本アニメの海外への流通を促進する。 クランチロールはアニメやマンガ、ドラマなどの日本コンテンツの海外向け配信の大手サイト、世界7ヶ国語で日本アニメを日本での放送開始と同時期に配信する。登録ユーザー数は世界全体で1000万人を超える。再び盛り上がっているとされる日本アニメ人気の中
■ 豊永真美 [昭和女子大現代ビジネス研究所研究員] フランスでの日本の劇場アニメの上映を見ると、2000年代はジブリ一色だったことがわかった。00年代に制作されたジブリアニメはすべてあまり期間を置かずに、フランスで劇場公開されている。ジブリがアニメ制作を行わないことを発表した現在、ジブリの穴を埋める作品が日本から出てくるかが問題となってくる。 本原稿では、フランスの映画市場を概観し、フランスのアニメ市場、そしてその中の日本アニメの状況について紹介したい。前編はフランスの劇場用アニメの動向と日本の作品の上映状況を紹介する。 □ フランスの人口は日本の半分だが、映画人口は日本より多い まず、最初にフランスの劇場映画市場の状況を見てみよう。フランスの人口は6603万人で日本のほぼ半分である。但し、映画館に行く映画人口を見ると、フランスが日本を上回り、劇場映画の需要が高いことがわかる(図1)。2
総合エンタテイメントの持ち株会社KADOKAWA・DWANGOが、平成28年3月期第1四半期の決算を発表している。同社は2014年10月にKADOKAWAとドワンゴのエンタテインメント2社の経営統合のため設立された。KADOKAWAとドワンゴを全額出資の子会社としている。 KADOKAWAは書籍、マンガ、アニメ、映画、ゲームなどを作りだすコンテンツ企業、DWANGOはそうしたコンテンツをインターネットなどで配信するプラットフォーム企業で、両者の統合として話題になった。統合から半年、新年度最初の四半期の決算が注目されたが、全体に厳しい数字になっている。 連結売上高は469億600万円、営業利益は11億4500万円、経常利益は16億4800万円、四半期純損失が2億2000万円となった。比較対象になる第1四半期の時期が異なっていることから、決算短信では前年同期比は発表されていない。しかし、今期の
5月28日に日本の劇場映画としては3年ぶりに中国で全国公開された映画『STAND BY ME ドラえもん』が大ヒットとなっている。公開当初より記録的な興行収入となり、一日の興収では米国ドリームワークスの『カンフー・パンダ2』を超え、中国で公開されたアニメーション映画としては過去最高となった。その後も順調に数字を伸ばしている。 中国本土と香港の映画情報・市場リサーチ会社の芸恩網のまとめによれば、公開から10日目にあたる6月6日までの『STAND BY ME ドラえもん』の中国での興収は4億2359万元で、日本円で86億円を超えた。この金額は、同作の日本国内での興収83.8億円を超える。日本のアニメが国内より海外でより稼ぐ結果になった。 『STAND BY ME ドラえもん』は、藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品として、八木竜一監督、山崎貴監督のもと撮られた。これまで2Dセルタッチのアニメで
■ 豊永真美 [昭和女子大現代ビジネス研究所研究員] [プロローグ] 2015年1月7日、フランスで風刺週刊誌「シャルリ・エブド」が襲撃され、同誌に寄稿するバンド・デシネ作家5人を含む⒓人が落命したとき、フランスの出版界はいち早く、弔意を示した。特に目立ったのがバンド・デシネ界隈の人々である。たとえば、バンド・デシネ出版社であるジャック・グレナは複数のテレビ番組に出演した。 ジャック・グレナは、学生時代に、シャルリ・エブド(*1)の前身のシャルリ・マンスエルの使い走りとしてアルバイトを始めたことから犠牲者とのつながりも深く、個人的な哀悼の意と、表現の自由を守るために戦ってきた「シャルリ・エブド」誌への敬意の双方を示すためにテレビ出演をした。 また、フランス出版協会(SNE)の会長であるヴァンサン・モンターニュは1月9日に犠牲者の作家一人一人の業績を称えた追悼声明を発表した。 ジャック・グレ
文化輸出品としてのマンガ-北米のマンガ事情 第27回 「アメリカにおける手塚治虫作品の受容の変遷-もうひとつの「手塚神話」の形成」‐前編‐ 椎名 ゆかり アメリカの大学院でポピュラー・カルチャーを学び帰国後、マンガを専門とする出版エージェント業やアニメ、マンガ関連の翻訳者他、海外マンガを紹介する様々な仕事を行ってきた。 翻訳マンガ:『ファン・ホーム』『メガトーキョー』『ブラック・ホール』『デイトリッパー』他 ブログ:「英語で!アニメ・マンガ」 http://d.hatena.ne.jp/ceena/ <手塚治虫と海外> 昨年の12月、東京都豊島区主催のイベント「東京アニメ・マンガ カーニバル in としま」(1)が開かれ、その中で手塚治虫作品の海外版の(紙の)本に関する展示「世界で読まれる手塚治虫作品」と、トークイベント「世界へ広がる手塚治虫 -手塚治虫の元マネージャー 松谷孝征氏を招いて
編集部では、2015年の劇場アニメの公開予定作品を集計した。この結果2015年に劇場公開・イベント上映をする国内劇場アニメは、2014年12月31日の段階で40本を越えている。2011年(22本)、2012年(約30本)、2013年(約30本)、2014年(40本近く)を上回った。依然、劇場アニメは増加傾向だ。さらに海外アニメーションの公開が既に8本~10本明らかにされている。 ただし、劇場公開とイベント上映の区別がますます曖昧になっており、劇場公開に匹敵する規模のイベント上映はリストに含めた。「コードギアス 亡国のアキト」シリーズなどである。 今回の数字は2014年12月31日現在のため、現在公開が発表されていない作品が今後加わる。実際に2015年9月以降の公開日はほとんど明らかになっていない。 春休みや夏休み、ゴールデンウィークなどのハイシーズンは、ほぼ毎週アニメ映画が公開される。有力
3. CGアニメーション大躍進 CGアニメは過去数年、着実な成長を続けてきた。2011年の『friends もののけ島のナキ』はCGアニメ映画のビジネスの可能性を生み出したし、2012年公開の『009 RE:CYBORG』や2013年にスタートした『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』はセルルックCGアニメの発展に大きな貢献をした。 それでも2014年のCGアニメーションの同時多発的なビジネスの成功は、特筆すべきものだ。『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』、『楽園追放-Expelled from Paradise-』『シドニアの騎士』などヒット作が相次いでいる。一般層からコアファンまで、鑑賞者がセルアニメとCGをあまり区別しなくなったともいえる。 なかでも興収80億円の『STAND BY ME ドラえもん』は、これまでの2Dセルアニメの同作のシリーズの興収を大きく超えた。CGにな
文化輸出品としてのマンガ-北米のマンガ事情 第26回 「アメリカにおける日本のライトノベル ― Yen Pressの新たな挑戦」‐後編‐ 椎名 ゆかり アメリカの大学院でポピュラー・カルチャーを学び帰国後、マンガを専門とする出版エージェント業やアニメ、マンガ関連の翻訳者他、海外マンガを紹介する様々な仕事を行ってきた。 翻訳マンガ:『ファン・ホーム』『メガトーキョー』『ブラック・ホール』『デイトリッパー』他 ブログ:「英語で!アニメ・マンガ」 http://d.hatena.ne.jp/ceena/ ■ <アメリカのヤングアダルト小説> アメリカの若者向け小説に対する呼び方はいくつかあるが、最も一般的と言えるのはヤングアダルト小説だろう。書店でも「ヤングアダルト」のコーナーはすぐに見つけることができる。「juvenile(ジュヴナイル)」も使われるが、それは主に7、8歳から11 歳ぐらいまで
文化輸出品としてのマンガ-北米のマンガ事情 第26回 「アメリカにおける日本のライトノベル ― Yen Pressの新たな挑戦」‐中編‐ 椎名 ゆかり アメリカの大学院でポピュラー・カルチャーを学び帰国後、マンガを専門とする出版エージェント業やアニメ、マンガ関連の翻訳者他、海外マンガを紹介する様々な仕事を行ってきた。 翻訳マンガ:『ファン・ホーム』『メガトーキョー』『ブラック・ホール』『デイトリッパー』他 ブログ:「英語で!アニメ・マンガ」 http://d.hatena.ne.jp/ceena/ ■ <アメリカにおけるライトノベル> 『キノの旅』北米版 そもそも日本語の「ライトノベル」という言葉は1990年代初頭から使われるようになり、2000年初頭に定着したとも言われる呼び方で、和製英語である。 ただし海外でも日本のアニメやマンガのファンには「LIGHT NOVEL」と言って通じる場合
文化輸出品としてのマンガ-北米のマンガ事情 第26回 「アメリカにおける日本のライトノベル ― Yen Pressの新たな挑戦」‐前編‐ 椎名 ゆかり アメリカの大学院でポピュラー・カルチャーを学び帰国後、マンガを専門とする出版エージェント業やアニメ、マンガ関連の翻訳者他、海外マンガを紹介する様々な仕事を行ってきた。 翻訳マンガ:『ファン・ホーム』『メガトーキョー』『ブラック・ホール』『デイトリッパー』他 ブログ:「英語で!アニメ・マンガ」 http://d.hatena.ne.jp/ceena/ フランスの大手出版社Hachette (アシェット)のアメリカ現地法人Hachette Book Group USA (アシェット・グループUSA)の1部門で日本マンガを主に出版するYen Press(エン・プレス)は今年(2014年)4月、日本のライトノベル専門レーベルYen On(エン・オン
動画配信サービスHuluのアニメ作品のライナップが大きく拡大しそうだ。Huluを運営するHJホールディングスLLCは、アニメ動画配信の大手バンダイチャンネルと包括的コンテンツ・パートナーシップを締結したことを明らかにした。 2014年9月12日より、その第一弾としてバンダイチャンネルが配信する『機動戦士ガンダムSEED』HDリマスター版、『機動警察パトレイバー』、『戦国BASARA』、『バディ・コンプレックス』などの配信を開始した。すでに『バジリスク~甲賀忍法帖~』、『鴉 -KARAS-』などの第二弾、第三弾の配信も決まっており、今後さらにアニメ作品のラインナップが拡大しそうだ。 Huluは米国で設立された動画配信サービスだ。毎月定額で見放題というビジネスモデルで人気を博し急成長、この分野で世界的な存在となった。日本でのサービスは日本法人が2011年8月にスタート、2014年2月に日本テレ
2013年10月にさいたま市で開催されたアニメとマンガの総合イベント「アニ玉祭(アニメ・マンガまつりin埼玉)」が、今年も実施されることになった。2014年10月11日と12日の2日間、さいたま市大宮ソニックシティを会場にアニソンライブ、ステージイベント、声優トーク、展示会などが行われる。 アニ玉祭は埼玉県を舞台にしたアニメが数多いことから、アニメを通じて地域の文化を盛り上げようとスタートした。イベントではアニメと地域のつながりにフォーカスした「聖地巡礼」の紹介にも力を入れる。また、埼玉だけでなく、全国的な地域の活性化を目指している。 イベントの始まりは、埼玉に縁のアニメが多いことだ。近年では秩父の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や、鷲宮町の『らき☆すた』、飯能の『ヤマノススメ』などがある。アニ玉祭ではこうした作品が紹介される。 さらに埼玉を飛び出して、全国の聖地も取り上げる。
日本を代表するアニメ監督の宮崎駿氏が米国でマンガ家としても髙く評価された。ウィル・アイズナー・コミックインダストリーアワード(アイズナー賞)は、2014年7月25日、米国最大のポップカルチャーイベント コミコンインターナショナル(サンディエゴ・コミコン)の会場で同氏のコミックの殿堂(The Hall of Fame)入りを発表した。 アイズナー賞は、米国のコミックス業界が優れた作品やアーティストを顕彰するため1988年より続いている。コミックの殿堂はその中で功労賞の役割を担い、卓越した業績を残した作家を選出し、殿堂入りとして讃える。 アイズナー賞は米国の賞でもあり海外からの受賞者は必ずしも多くないが、日本からはこれまで手塚治虫氏、小池一夫氏、小島剛夕氏、大友克洋氏が選ばれている。宮崎駿氏は、日本から5人目の殿堂入りとなる。 殿堂入りの選出は、現在は事前に審査委員会が選出した3人の受賞者と、
文化輸出品としてのマンガ-北米のマンガ事情 第25回 「アメリカのコミックス市場で存在感を増すクリエイター・オウンド作品」‐中編‐ 椎名 ゆかり アメリカの大学院でポピュラー・カルチャーを学び帰国後、マンガを専門とする出版エージェント業やアニメ、マンガ関連の翻訳者他、海外マンガを紹介する様々な仕事を行ってきた。 翻訳マンガ:『ファン・ホーム』『メガトーキョー』『ブラック・ホール』『デイトリッパー』他 ブログ:「英語で!アニメ・マンガ」 http://d.hatena.ne.jp/ceena/ Gree_Lantern&Green_Arrow:ニール・アダムスの代表作 <権利を求めるクリエイターの戦い> 作者が作品に権利を持てない状況は、昔からライターやアーティストにとって大きな不満の種となってきた。例えば、新しいキャラクターを生み出してもそのキャラクターに対する権利を持てない、またはほんの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く