アルゴリズムとしてのアート (季刊『InterCommunication』2004 年 2 月頃) 山形浩生 要約: アートというものは、人間の機能探索を主目的としており、それはある種のアルゴリズム探索であるとともに、それ自体がアルゴリズムともなり得るのである。 そもそも、アートとは何なのか、ということから始めよう。最近邦訳の出たスティーブン・ピンカー『心の仕組み』では、あらゆることが進化生物学的な必然性の中で説明されていた。その中で芸術などがどんな必然性を持っているのか、そして人はなぜそういうものを作ってきたのか、という話も少ししている。それはある種のパターン認識やストーリー認識を行うことが生存において重要な役割を果たしたために、そうした認識を「だます」ことで成立している各種のアートや表現というものが、人々に受け入れられるようになった、という議論だった。宮代真司はかつて、男に比べて女