総務省が6月29日に発表した5月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・2ポイント低下の4・4%で、3カ月ぶりに改善した。5%台だった最悪期から比べると雇用情勢は良くなっている。厚労省は東日本大震災の復興需要や景気の持ち直しが改善につながったとみている。 厚労省が同日発表した5月の有効求人倍率(同)は同0・02ポイント上昇の0・81倍で、12カ月連続の改善となった。これらの状況から、厚労省は雇用情勢判断を「依然厳しい」としながらも、前月までの「一部に持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」と9カ月ぶりに上方修正。改善の状況が広がってきたとみている。 しかし、労働力不足を意味する1倍にはまだ達していない。職種間や地域間の雇用のミスマッチなどから生じる「構造的失業率」は3・5%程度であるといわれているので、まだ需要不足による失業率が1%程度(失業者数で60万人程度)あることになる。こ