現実の経済を考える際には、実物とマネーを分けて考える必要がある。これをイメージさせるために、筆者は、こんな例えを使う。「国民を金持ちにするのは簡単だ。政府が国民全員の預金口座に100万円を振り込むだけで済む。ただし、皆が通帳の数字を眺めて嬉しくなるだけなら良いが、これを下ろして使い始めると、たちまちインフレが進み、100万円の価値は煙のように消える。ゆえに、国民を豊かにするのは難しい」 ……… これは、現実には、実物とマネーが乖離する場合があるので、両面を確かめておく必要性を説くものだ。21世紀の世界経済は、バブルによって信用が膨張し、リーマンショック後には中央銀行の流動性が供給されていった。通常であれば、実物とマネーは表裏一体だが、こうした過程を経たことで、マネーの比率は、かつてより大きなものになっている。 本題は、ここからだ。中銀からしてみれば、マネーが大きくなってしまったので、それが
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