<日本銀行が半年ぶりに追加緩和を行ったが、ほとんど政策効果がないような、「追加緩和」に帰結した。今の黒田日銀には政策実現を遅らせる悪しきエリート主義の病理が集中して現れている> 市場の予想を裏切る形での「追加緩和」 日本銀行がマイナス金利導入以来、半年ぶりに追加緩和を行った。その中身は上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年間3.3兆円から倍の6兆円に増額するものだった。ただしマネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加させるという量的緩和部分はまったく変更することはなかった。 この政策決定会合の結果は、市場にマイナスの材料として認識された。株価は急激に下落し、為替レートは円高が急速にすすんだ。株価こそ戻していき前日比微増で終わったが、為替レートはドル円では1円以上の円高になっている。これらは市場の予想を裏切る形での「追加緩和」であったことは少なくとも明瞭である。 安倍政権は参院
完全失業率によって雇⽤情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発⽣することで、完全失業率が低下し、雇⽤情勢の悪化を過⼩評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる⽅法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 6⽉の完全失業率(季節調整値)は3.1%と前年同⽉から0.1ポイント低下、真の失業率も3.3%と前年同月から0.1ポイント低下した。真の失業率は、引き続き、減少基調である。なお、インフレ率が低下する中で完全失業率は改善していることから、フィリップス・カーブはこのところ逆相関の動きとなっている。 所定内給与と消費者物価の相関に関する5⽉までの結果は以下のようになる。賃⾦は4⽉以降、これまでの増加傾向から一転して減少に転じている。 その原因を素直に判断すれば、フルタイム労働者の所定内給与が伸び悩んでいることから、
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