福岡5区の応援に入り、街頭演説で「岸田ノート」を掲げ、自民党への支持を訴える岸田文雄首相=福岡県大野城市で2021年10月23日午後3時49分、徳野仁子撮影 岸田文雄首相が衆院選の街頭演説で「経済成長」に軸足を置いた訴えを続けている。一方で、自身が掲げる「新しい資本主義」で重視する「分配」への言及は抑制気味だ。野党との差別化を狙う自民党が「成長」を前面に出すよう要請したためだが、野党は「アベノミクスと何ら変わらない」などと批判している。 「新しい資本主義」も0~1回 「テレワークやスマート農林水産業で若い人が地方で活躍できる。農業も経済成長の大きな役割を果たしてもらう」。首相は23日、佐賀県武雄市の街頭演説で「成長」という表現を7回使いつつ、「新しい時代を切りひらきたい」と訴えた。「分配」の文言は、現地での第一声としては選挙戦5日目にして初めて消え、力点の違いは明らかだった。 首相は9月の