2013年の3月末は加入者数が約16万人にすぎなかったiDeCo(個人型確定拠出年金)も、今や約317万人(2023年12月時点)が加入し、私たちにとってますます身近な存在になりつつあります。 老後資金の用意に向けてぜひ上手に活用したいiDeCoですが、税金上のメリットのほかに、その受給権が手厚く保護されていることをみなさん知っていますか。一方で、その根拠となる情報を正しく理解しておかないと、将来後悔をするかもしれないので注意が必要です。今回は、「iDeCoは財産分与の対象外だから離婚をしても国が守ってくれる」という巷の噂が本当なのか、とある判例を用いながら徹底解剖します。 iDeCoの受給権は手厚く保護されている iDeCoは、公的年金に上乗せして給付が受け取れる私的年金の一つです。 公的年金とは異なり、iDeCoでは、加入の判断から、金融機関、掛金額、運用商品、受け取り方まで、すべてを