日本のボクシングファンにとって、何より村田本人にとって、この敗戦は「無念」という一言に尽きるのではないだろうか─―。 WBA世界ミドル級チャンピオン、村田諒太(帝拳)が20日(日本時間21日)、中学生のときから夢見たラスベガスのリングで散った。 ランキング3位の指名挑戦者、ロブ・ブラント(米)を迎えた2度目の防衛戦は大差判定負け。1年間守った王座からあっけなく陥落した。著者はDAZNで観戦。以下、現地からの情報はボクシング・ビート誌の島篤史編集長に頼ったレポートである。 まずは試合を振り返ってみよう。試合は初回から挑戦者が優位に立った。いつものようにガッチリとガードを固める村田に対し、ジャブ、ワンツー、左右のボディブローを躊躇なく繰り出していく。村田に的を絞らせないようよく動き、しっかり手を出して、前に出たい村田を止めようというはっきりした意図が伝わってきた。 村田もこれは想定内だったろう