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ブックマーク / gamenokasabuta.blog86.fc2.com (13)

  • さあ? 人々を誘いだせ 『クロスイッチ』

  • さあ? 自由と平等の人道的処刑機械、その名はギロチン 『死刑執行人サンソン』

    死刑執行人サンソン(安達 正勝) 帯に書かれた、荒木飛呂彦のコメントがまず目を引く。『スティール・ポール・ラン』のジャイロ・ツェペリのモデルが、この死刑執行人サンソンなのだという。なるほど。おかげで荒木飛呂彦の絵を思い浮かべながら、このを楽しむことができた。 事故に遭った時に助けられたのをきっかけに、処刑人一族の娘に恋してしまった初代サンソン。そうとは知らずに好きになり、真実を知って苦悩しつつも、処刑人を継ぐことを決意した彼は、紳士たらんとしたジョナサン・ジョースターを思わせる。 国王の命によって、正義のために死刑囚を処刑するのが死刑執行人である。しかしそういう職業が差別の対象になるのは、洋の東西を問わないようで、サンソン家も役目の重要性とは不釣り合いな扱いを受け続ける。 そして四代目のシャルル - アンリ・サンソンこそ、このの主人公である。 フランス革命を経て、死刑のあり方や、死刑執

  • さあ? ケータイ小説の徹底解剖 『なぜケータイ小説は売れるのか』

    なぜケータイ小説は売れるのか(田透) ケータイ小説の作品論として、現時点で最高の。 他の「ケータイ小説解説」がおもに現象(サイトでアクセス数を集めていた小説を出版したら、すごく売れた)を取り扱っているのに対して、このは徹頭徹尾、作品の内容に特化している。 筆者の田透がライトノベル作家で、小説を書く人だからかもしれない。ビジネス以前に、どうしてあれだけたくさんの人がケータイで小説を書いたのかを実に見事に説明してのけた。 書の情報量の多さには心底圧倒された。それは、田透がケータイ小説の海に素もぐり40メートルして持ち帰ってきた情報だからだ。市場動向のような、現象を書き連ねただけのでは決して得られないものがここにある。 序章 ケータイ小説七つの大罪 ケータイ小説でよく書かれる、典型的な7つの特徴を簡単にまとめている。3分でケータイ小説の内容がわかるという言葉に嘘は無い。さすがの「

  • さあ? ゲーム企業は全社員に読ませるべき 『失敗は予測できる』

    失敗は予測できる (中尾 政之) 『ニンテンドーDSが売れる理由』を紹介するとき、僕は「松下は全開発社員に買って読ませるべき」と書いたが、その論法で言うなら、ゲーム企業各社はこのを全社員に読ませるべきだろう。 ここ2年ほど、ゲーム業界では不具合がよく話題になっていて、うちのブログでも度々取り上げている。去年の2月に品質管理の話を書き、夏には任天堂が不具合を連発したのをきっかけに、いくつか記事を書いている。 (参考:開発マネージメントについての議論が高まっている) 年末商戦は夏よりもタイトなスケジュールになりがちで、夏に不具合が続けば、年末にはもっと酷い事になるはずだが、今のところ特に聞こえてこないということは何らかの改善はあったのかもしれない。 ゲーム企業のQAはなかなか表には見えてきにくい部分だが、この1年で各社の危機意識が高まってきたのを感じる。不具合はブランドを短期間で損なうし、不

  • さあ? 欲しいものを欲しいと言う 『私、おバカですが、何か? 偏差値40のかしこい生き方』

    私、おバカですが、何か? 偏差値40のかしこい生き方(深田萌絵) 来なら、このの内容に言及すべきだが、まずはこのを読むきっかけとなった2つのブログの記事を紹介したい。 極東ブログ:[書評]私、おバカですが、何か? 偏差値40のかしこい生き方(深田萌絵) 404 Blog Not Found:書評 - 私、おバカですが、何か? 兄の方もまた「学歴技術も資格もないのか」、著者はつまびらかにしない。が、「学歴技術も資格もない」ことの意味は、男と女ではまるで違うことは確かだろう。男にとってそれは「生きる資格がない」に等しい。少なくとも、そういう有形無形のメッセージを、小は家庭から大は国家に至るまで、男は浴びて育つのだ。 (略) こういうしなやかな強さを持つ女性は今や珍しくないが、男性で似たような例というのを、私はほとんど、いや一例も知らない。そのような例に該当しそうな人の話を聞くと、学歴

  • さあ? 愛らしさ、ナンバーワン 『夜は短し歩けよ乙女』

  • さあ? ゲーム開発の「水平分業」と「垂直統合」

    最近よく話題に出るのはDS、特に『脳トレ』以降、ゲームの作り方がファミコンの頃に戻ってきたね、ということです。開発期間の圧倒的な短さや人数の少なさは、まさにファミコン時代並みですし、ネタから商品になるまでの鮮度(サイクルの短さ)も良くなっています。 ゲーム制作って、最初は垂直統合型でした。プログラマー自分で仕様を決めて、自分で絵を描いて、動きをプログラムで制御していました。プログラマーゲームデザイナーという時代です。それから少しして、絵を描く人とプログラムを組む人と音楽を作る人の3人ぐらいに分かれて、ゲームデザインはその中の1人がやるようになりました。 徐々にゲームデザイナーという言葉が死語になっていきました。ディレクターという肩書きの人が現れて、企画は自分では絵を描かないし、プログラムも組まなくなります。規模が拡大するにつれて、それぞれのパートの人数が増えていって、プランナー、デザイナ

  • さあ? 2年前の記事を掘り起こす。クリエイティビティーマネージメントとは何か?

    今日掲載するのは、以前のブログで書き上げたものの、掲載する時期を逃して、ずっと死蔵していた記事です。2005年の12月頃に書いたものだという前提で、お読みください。リンクしている記事がやたら古いのも、そのせいです。 ではどうしてこの記事をこのタイミングで掘り起こしたかというと、クリエイティビティーが今年の大きなテーマになりつつあるからです。去年の秋からうぇぶたまという面白い番組が始まっていて、実際に『くるポト』が今日発売されました。またガンホーゲームズに『モアイの巣』が公開されています。さらに今年のGDCでは、ユーザーのクリエイティビティーをどうやって取り込んでいくかについて、話題になりました。いよいよ、機は熟しつつある、といえます。 最近、グーグルの組織運営のあり方に注目が集まってますね。 人数が増えても、大企業病に陥らず、開発速度が速く、イノベーション性の高いサービスをリリースし続けて

  • さあ? 小説家は小説をどう読むのか? 『小説の読み書き』

    小説の読み書き(佐藤 正午) amazon bk1 このは企画を思いついた編集者のアイデアの勝利でしょう。 プロの小説家は他人の書いた小説をどう読むのか? ただの読者とは違う、小説家の読み方、書き方とは? 小説家でない多くの読みにとって、これはもう、好奇心がわきます。このの存在を知ってすぐにアマゾンで注文しました。真っ先に読みました。 小説家の佐藤正午が、川端康成、志賀直哉、森鴎外、永井荷風、夏目漱石といった大家の作品を読んで感想文を書いていきます。やはりただの読者とは視点が違います。普通の書評や感想文は、書いてある内容や筋書き、主題を語ることに主眼を置いていますが、文体にやたらとこだわっています。まぁ文体を重視した書評も世の中にはありますが、「自分だったらどう書くか」という視点をもてるのは、やはり小説家だけでしょう。 三島由紀夫は耳が良くて、音にこだわって書く。太宰治は読点を打ちま

  • さあ? ゲームソフトを売っているわけで、ペットボトル入りの汗を売っているわけじゃないよね。

    どうもなあ……。 周期的にネットで持ち上がる話なんですが、またぞろゲーム開発者の「汗をかいた量」の話が出てるみたいですね。すぐに反応するのはあえて避けたんですが、それなりに年季の長い人が書いてたりするんで、若い人が変な影響受けないといいな~と思って、ボクも別の意見を書いてみます。 人によって意見は異なるのかもしれませんが、まず大前提として、ペットボトルに汗をつめて「これが僕らの情熱です、徹夜の結晶です、ゲームへの愛です」と言って売るわけにはいかないんですよね。 汗を聖水として売りつけるのは宗教だけで十分です。しかし下手すると、作品は聖遺物ですとか言い出しちゃう。えっと……あなたがやってるのは娯楽で、宗教じゃなかったよね、みたいな。 自分自身および周囲の経験から言うと、残酷な話だけど、徹夜、泊まりの回数とゲームの面白さにはほとんど相関関係はないし、まして売上にはまったく関係はありません。都市

  • さあ? ジブリにアニメ化してもらいたいような、まっすぐな物語 『ミミズクと夜の王』

    ミミズクと夜の王(紅玉いづき) amazon bk1 ジブリにアニメ化してもらいたいような、まっすぐな物語でした。 ど真ん中に投げてきて、そのまま心を貫通された感じ。半身浴しながら3日ぐらいかけて読もうと思ってたら、ダメ、この引力に逆らえない……風呂から上がって、そのまま読みふけって最後まで読み終えてしまいました。 こういう紹介の仕方は安っぽいから好きではないのですが、泣けるを求めている人にはぜひ読んでほしいです。ケータイ小説にありがちな、友達との不和、男とのすれ違い、レイプ、妊娠、ドラッグ、不治の病といった泣かせギミックは存在しません。また、戦う少女、肉体改造、魔術、周囲の人間の死、非日常からの来訪者といったライトノベル的なギミックも存在しません。 これは、ミミズクというちょっと変わった女の子が夜の王に出会う、ただそれだけのおとぎ話です。おとぎ話というのは、世界中のどこであっても、誰も

  • さあ? リセットし続ける勇者の物語 『All You Need Is Kill』

  • さあ? ゲーム開発者の中にあるWindows Vista待望論

    Windows Vistaがもうすぐ一般向けにも販売されますが、ここまで不評な状態でスタートするWindowsは初めてかもしれませんね。延期に次ぐ延期、バカ高い要求スペック、大幅に縮小した新機能、種類が多くてわかりにくいエディションなど、Windows Vistaは実に不満点が多いです。まさに「OSのイノベーションのジレンマ」を体現したようなOSです。 西川和久の不定期コラム「Windows Vistaを好きになれない理由」 しかし一方で、洋ゲーを遊ぶPCゲーマーは好意的に受け止めているようです。美少女ゲーム(3D系を除く)はかなり低いスペックでスムーズに動作しますが、FPSなどの海外ゲームはハイスペックを要求する物が多いので、ハイスペックを要求されても苦になりません。Game ExplorerやDirectX10、Ready Boostなど、むしろVistaのゲーマー向け機能に期待する声

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